◎国連は3日、ヴィタリー・シショフ氏の死はベラルーシで進行中の問題に追加される可能性があると述べ、調査を求めた。
ウクライナの現地メディアによると、ベラルーシの亡命希望者を支援する団体のリーダーが首を吊った状態で発見されたという。
ウクライナ国家警察のイゴール・クリメンコ長官は3日、首都キエフに本拠を置く「ウクライナ・ベラルーシの家（BHU）」のリーダーであるヴィタリー・シショフ氏が自宅近くの公園で首を吊った状態で発見されたと述べた。
クリメンコ長官は記者団に対し、「殺人の可能性も考慮し、調査を進める」と述べた。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の報道官は、「政府は事件を注意深く見守っている」とコメントした。
ドミトロ・クレーバ外相は、「当局は真実にたどり着くためにあらゆることをする」とツイートした。「シショフ氏の悲劇的な死の真実を明らかにすることは政府当局の最重要課題のひとつです...」
シショフ氏の率いるBHUは、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領の迫害により国を去った人々を支援してきた。シショフ氏本人も昨年8月のベラルーシ大統領選挙後の迫害で亡命を余儀なくされた多くのベラルーシ人のひとりである。
ベラルーシと国境を接するリトアニア、ポーランド、そしてウクライナは迫害から逃れた人々を保護している。
国連は3日、シショフ氏の死はベラルーシで進行中の問題に追加される可能性があると述べ、調査を求めた。
シショフ氏の死は権威主義者のルカシェンコ大統領に対する警戒を促す最新の事件のひとつである。
東京2020五輪に出場したベラルーシのクリスティーナ・ツィマノスカヤ選手は昨日、政府当局の帰国命令を拒否し、ポーランドの人道ビザを取得した。
ルカシェンコ大統領は5月23日に英ライアンエアーの旅客機を首都ミンスクの空港に強制着陸させ、搭乗していた反対派ジャーナリストとガールフレンドを逮捕した。二人は現在、ベラルーシで自宅軟禁下に置かれている。
シショフ氏は2日早朝、日課のランニングを行うために外出し、行方不明になった。ウクライナ・ベラルーシの家（BHU）の関係者はAP通信の取材に対し、「私たちはシショフ氏が普段走っている公園に行き、彼を探しました」と語った。
一方、同僚のひとりであるユーリ・シュチュチコ氏によると、シショフ氏は昨年の亡命以来、「何者かに監視されているような気がする」と心配していたという。「シショフ氏はベラルーシ国家保安委員会（KGB）とつながりのある者が近くにいると心配していました...」
またシュチュチコ氏は、「遺体を発見した警察官はシショフ氏の顔に殴られたような跡があったと言いました」と述べた。
シショフ氏のガールフレンドであるバジェナ・ゾルズ氏はAP通信に、「自殺ではない」と語った。「私は信じません。彼の行動に自殺を示唆するものは何もありませんでした。彼はメモもメッセージも何も残さず、いつものように日課のランニングに出かけました...」
BHUはベラルーシの情報源と多くのベラルーシ人から、「誘拐や粛正に巻き込まれる可能性がある」と警告を受けていたと述べた。「ルカシェンコは独裁政権に害を与えるベラルーシ人を粛正するために治安当局を派遣しました。私たちはシショフの暗殺を証明するために戦い続けると誓います」
現地メディアによると、首都キエフのベラルーシ大使館周辺には約300人の抗議者が集まり、その多くがシショフ氏の肖像画を持っていたという。
ルカシェンコ大統領は昨年8月の不正大統領選挙で6期目の就任を宣言したが、西側諸国と野党はこの主張を却下し、何カ月にもわたる抗議活動が勃発した。KGBと警察当局は抗議を力でねじ伏せ、35,000人以上を逮捕し、数千人を残酷に殴打した。
ルカシェンコ大統領は先日、市民活動家を「盗賊と外国人エージェント」と呼び、それらを打倒する作戦を継続すると誓い、ここ数週間でベラルーシの非政府組織や独立系メディアを数百回襲撃した
昨年の大統領選に出馬し、その後の迫害でリトアニアへの亡命を余儀なくされた野党党首のスヴャトラーナ・ツィハノウスカヤ氏は3日、シショフ氏の家族に哀悼の意を表した。「ベラルーシ人の安全は海外でも保証されません...」
「多くのベラルーシ人を救ったシショフ氏は絞首刑に処されました。事件はベラルーシではなくウクライナで発生したのです。当局は飛行機をハイジャックしジャーナリストを逮捕します。当局はアスリートを他国から無理やり帰国させようと試みます...」
