◎国営テレビは武装した当局者が活動家のアパートに踏み込み、室内を荒らしまわる様子を報じた。
ベラルーシ当局は21日、200人以上の野党政治家や活動家を標的とする家宅捜索と財産差し押さえを強行した。
野党は5月21日を「政治犯と連帯する日」とし、オンライン上でルカシェンコ政権に抗議の意思を示すよう呼びかけている。
国営テレビは武装した当局者が活動家のアパートに踏み込み、室内を荒らしまわる様子を報じた。
それによると、元閣僚の娘とされる活動家の自宅などが捜索の対象となり、当局は家屋、車、その他資産を全て差し押さえたという。
国家保安委員会（KGB）は声明で、「2020年の選挙に出馬した野党政治家などが設立した評議会に関与する257人を対象とする家宅捜索を開始した」と主張した。
それによると、この評議会はインターネットで国民に支持を呼びかけ、その委員80人を選出するオンライン投票を準備していたという。
この評議会で活動する政治家の大半が国外に亡命しており、その多くが国家反逆罪などで起訴されている。
人権団体「ビアスナ人権センター」によると、国内の刑務所に収監されている政治犯は20日時点で1392人。その数は増え続けており、少なくとも5人が獄中で死亡したという。
当局は先週にも海外在住で政府に批判的な104人の自宅などを捜索。資産を差し押さえていた。
治安当局は2020大統領選の結果に抗議する市民を弾圧。3万5000人以上を逮捕し、数千人を殴打した。
プーチン（Vladimir Putin）大統領の子分であるルカシェンコ（Alexander Lukashenko）大統領は欧州最後の独裁者と呼ばれ、30年以上に渡って反体制派を取り締まってきた。
