「アルバニアは売り物ではない」高級リゾート開発に抗議するデモ
クシュナー氏はトランプ米大統領の娘婿である。
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アルバニアの首都ティラナで5日、大規模な抗議デモが行われ、米実業家クシュナー(Charles Kushner)氏の投資会社が関与する高級リゾート開発計画に反対する数千人の市民が街頭に集まった。参加者たちは「アルバニアは売り物ではない」と訴え、環境保護と開発計画の見直しを求めた。
問題となっているのは、クシュナー氏が率いる投資会社アフィニティ・パートナーズが進める総額14億ユーロ規模のリゾート開発である。計画では、アルバニア南部の島と、アドリア海沿岸の未開発地域に高級ホテルや別荘などを建設する。開発予定地の一部はフラミンゴやアザラシ、ウミガメなどが生息する自然保護区の近隣に位置している。
環境保護団体はこの計画によって数百ヘクタールに及ぶ手つかずの海岸線や貴重な生態系が損なわれると警告している。特に同地域は渡り鳥の中継地として知られ、世界のフラミンゴ個体群の1%以上が利用する場所でもある。デモ参加者の多くはピンク色のフラミンゴの模型や看板を掲げ、自然環境の保全を訴えた。
抗議運動はここ数日で急速に拡大した。発端となったのは、開発予定地周辺で重機による工事準備や有刺鉄線の設置が確認されたことだった。地元住民や環境活動家は十分な説明や協議が行われないまま工事が進められていると反発している。一部の現場では抗議者と警備員が衝突し、負傷者も出たと報じられている。
これに対し、アルバニアのラマ(Edi Rama)首相は計画を強く支持している。政府はこの事業が観光産業の発展や外国投資の呼び込みにつながり、雇用創出や経済成長を促進すると主張する。ラマ氏は「投資家に敵対的な国という印象を与えてはならない」と述べ、計画を中止する考えはないとの姿勢を示してきた。
一方で、環境団体や野党勢力は政府が保護地域での建設を可能にする法改正を進めた経緯や、事業認可の透明性に疑問を呈している。反汚職当局も保護区域の指定変更や土地取引の手続きについて調査を開始した。
アルバニアは近年、観光立国を目指して大型開発を積極的に推進している。しかし今回の騒動は、経済発展と環境保護をどのように両立させるかという課題を浮き彫りにした。抗議活動は今後も続く見通しであり、政府と市民の対立がどのような形で決着するのか注目されている。
クシュナー氏はトランプ(Donald Trump)米大統領の娘婿である。
