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米国、イラン産原油購入国に「二次制裁」検討


トランプ政権は制裁強化について、イランの資金源を遮断することで核開発や地域での軍事活動を抑制する狙いがあると説明している。
イランの製油所(AP通信)

米国がイラン産原油の取引に関与する第三国に対して「二次制裁」を課す可能性を示唆したことで、エネルギー市場と国際金融の双方に緊張が広がっている。ベッセント(Scott Bessent)財務長官は15日、イラン産原油の購入を継続する国や企業に対し、制裁強化を検討していると明らかにした。

この発言はイランの原油輸出をめぐる米国の「最大圧力政策」を一段と強化する流れの中で行われたものである。米国は近年、イランの核開発や地域活動への資金源を断つ目的で原油輸出の制限を強めてきたが、今回の措置はその対象をイランだけでなく、取引に関与する第三国にも拡大する可能性を示した点で重要である。

二次制裁とは、米国の制裁対象国と取引を行う非米国企業や金融機関に対しても制裁を科す仕組みであり、米ドル決済や米国市場へのアクセス制限などを通じて実質的な経済的圧力を加えるものである。これにより、米国の直接的な管轄外にある企業であっても、イランとの取引を継続すれば重大な不利益を被る可能性がある。

今回の発言の背景にはイランの原油輸出が依然として一定規模で維持されている現状がある。米国はこれまでも制裁強化や監視体制の拡大を通じて輸出削減を試みてきたが、中国など一部の国への迂回輸出が続いている。こうした状況を受け、米国は制裁の「抜け穴」を封じる必要性を強調している。

また米国は最近、イラン産原油に対する一時的な輸出緩和措置(制裁免除)の延長を行わない方針も示し、制裁を再び厳格化する姿勢を明確にしていた。この措置により、海上輸送中の原油にも制約が及ぶ可能性があり、供給網への影響が懸念されている。

市場関係者の間では、今回の動きが原油価格の上昇圧力につながるとの見方が強い。中東地域ではすでに地政学的リスクが高まり、特にホルムズ海峡周辺の輸送環境の不安定化が世界のエネルギー供給に影響を与えている。イランは米イスラエルによる軍事作戦への対抗措置として海上輸送を妨害し、対立がエスカレートする可能性がある。

トランプ政権は制裁強化について、イランの資金源を遮断することで核開発や地域での軍事活動を抑制する狙いがあると説明している。ベッセント氏は金融機関や企業に対し、イラン関連取引から撤退するよう警告を発し、特に中国や中東諸国の金融機関が監視対象となる可能性が指摘されている。

専門家は二次制裁の拡大が国際経済に影響を与えると懸念している。米国の制裁が広範化すれば、エネルギー市場の分断が進み、各国が独自の取引ネットワークを強化する動きが加速する可能性があるためだ。さらに、同盟国との関係に摩擦を生むリスクもある。

今回の発表は米国の対イラン政策が軍事的圧力と経済制裁の両面で再び強硬化していることを示している。今後、制裁対象の拡大が具体化すれば、イランの原油輸出は一段と制約される見通しで、中東情勢と世界のエネルギー市場は不安定な局面が続くとみられる。

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