国連、イスラエル軍によるレバノンへの大規模空爆を非難
中東情勢はイスラエルとイランの対立を軸に広域化し、レバノンもその影響を強く受けている。
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国連の人権専門家が15日、イスラエル軍によるレバノンへの大規模空爆を強く非難し、国際法に違反する可能性が高いと指摘した。国連人権理事会に任命された専門家たちは声明で、今回の攻撃を「違法な侵略」かつ「無差別な爆撃」と位置付け、国際秩序そのものを揺るがす行為だと非難した。
問題となっているのは4月8日に実施された空爆。これはレバノン国内に対する攻撃としては、最近の戦闘激化以降で最大規模とされる。この攻撃により250人以上が死亡、その多くが民間人であったと報告されている。
国連は特に、この空爆が米国とイランの間で成立した停戦合意の直後に行われた点を問題視している。声明では、停戦によって緊張緩和が期待されていた中での攻撃は外交努力を踏みにじるものであり、平和の可能性を損なうものだと強調した。また、「これは自衛ではない」と明言し、イスラエル側の正当化を否定した。
さらに国連はこうした軍事行動が国連憲章に違反するだけでなく、民間人の生命や環境への深刻な影響をもたらしていると警告した。無差別攻撃の疑いがある場合、国際人道法上の重大な違反となり得るため、独立した調査と責任追及が必要だとしている。
この空爆はイスラエルとレバノンの親イラン組織ヒズボラとの間で続く軍事的緊張の中で行われた。ヒズボラはイランの支援を受ける組織で、イスラエル北部へのロケット攻撃を再開、イスラエルは空爆で応戦した。双方の応酬により戦闘は急速に拡大し、レバノン国内で2000人以上が死亡、100万人以上が避難を余儀なくされている。
イスラエル側はこれまで、攻撃は軍事施設を狙ったものであり、自国防衛のためだと主張してきた。しかし国連や人権団体は、実際には住宅地やインフラにも被害が及んでいるとして懸念を強めている。民間人の犠牲が増加している現状は比例性や区別の原則といった国際人道法の基本原則に照らして問題視されている。
中東情勢はイスラエルとイランの対立を軸に広域化し、レバノンもその影響を強く受けている。停戦交渉や外交努力が続けられているものの、各勢力の思惑が複雑に絡み合い、事態の収束は見通せていない。今回の国連専門家による非難はこうした状況に対する国際社会の危機感を改めて示すものといえる。
