◎トルコ国防省は19日にツイッターを更新。「悪党どもに責任を取らせる」とツイートした。
2020年10月20日/シリア、北西部イドリブ県の集落、トルコ軍の車列(Ghaith Alsayed/AP通信)

シリア北部に拠点を置くクルド人武装勢力は19日、トルコ軍がシリア北部への空爆を開始したと明らかにした。

AP通信はクルド当局者の話を引用し、「この空爆はイスタンブールで発生した爆破テロの報復である」と報じている。

イスタンブールのイスティクラル通りで13日に発生した爆破テロでは子供2人を含む6人が死亡し、80人以上が負傷した。

トルコ政府はこの攻撃に反政府武装組織「クルド労働者党(PKK)」が関与していると明言したが、PKKは関与を否定している。

EUと米国もPKKをテロ組織に指定する一方、米国は対イスラム国(ISIS)作戦の一環として、シリア北部に拠点を置くクルド人主導の民兵組織シリア民主軍(SDF)」に支援を提供している。

トルコ国防省は19日にツイッターを更新。「悪党どもに責任を取らせる」とツイートした。

トルコ政府は今年、シリア北部の国境に沿って「緩衝地帯」を構築するという計画に基づき、トルコ国境に近い町に攻撃を仕掛けた。

SDFの報道官はツイッターに、「避難民が多く住む2つの村がトルコ軍の攻撃を受けている」と投稿。多くの死傷者が出ていると報告した。

シリアの独立系メディアはこの空爆について、「SDFの陣地を狙ったもの」と報じている。

一方、イギリスに本拠を置くNGO「シリア人権監視団」は19日、「空爆はシリア軍の陣地にも影響を与え、SDF民兵とシリア兵少なくとも12人が死亡した」と報告した。

また同監視団は、「トルコ軍は北部アレッポやラッカなどの郊外にある25カ所を空爆した」としている。

在イラク・米国総領事館は19日、「トルコ軍は今後数日間、シリア北部とイラク北部で軍事行動を起こす可能性があるという信頼できる情報を得た」と声明を発表している。

SDF報道官はトルコを非難し、「この地域に侵攻すれば、地域全体を巻き込む方法で抵抗する」と警告した。

トルコは2016年以来、シリア北部に3回大規模な越境作戦を仕掛け、いくつかの地域を支配している。

オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。

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