▽トランプ氏はこう強調した。「とてもシンプルなことだ。イランは核兵器を持つことはできない」
とイランの最高指導者ハメネイ師(Getty-Images).jpg)
トランプ(Donald Trump)米大統領は4日、イランの核兵器保有を阻止するため、イランに対する「最大限の圧力」キャンペーンを再開した。
トランプ氏はイスラエル首相との首脳会談に先立ち、1期目を通じて実践してきたイランに対する厳しい経済制裁を再開する大統領令に署名した。
トランプ氏はホワイトハウスの記者団に対し、「これは非常に厳しいものだが、私はイランとの取引に前向きで、指導者と話す用意がある」と語った。
またトランプ氏はこう強調した。「とてもシンプルなことだ。イランは核兵器を持つことはできない」
イランではトランプ氏がイスラエルによる核施設への攻撃を容認したり、経済制裁を強化するのではないかという懸念が高まっている。
第1次トランプ政権は2018年、イラン核合意から一方的に離脱し、イランに厳しい経済制裁を科した。
イラン核合意は3.67%以上のウラン濃縮を禁止している。イランは24年末の時点で60%の高濃縮ウランを200キログラム近く保有している。
<ウラン(U-235)の濃縮度>
▽0.7%:標準
▽2~5%:原子炉燃料(軽水炉用)
▽3.67%以下:イラン核合意の規定値
▽20%以上:高濃縮ウラン
▽90%以上:核兵器用
イラン政府はトランプ氏の大統領令と発言に関する声明を出していない。
トランプ氏はバイデン政権がイランの石油輸出制裁を厳格に実施しなかったことを非難してきた。
またトランプ氏は制裁逃れを容認した結果、イランが石油を輸出して核開発を推し進めたり、中東の武装民兵の資金源になることを許したとしている。
イランは核兵器の開発を否定している。
トランプ氏は大統領令で、イランに対して「最大限の経済的圧力」をかけるよう財務長官に命じている。
米エネルギー省エネルギー情報局の推計によると、イランの23年の石油輸出は530億ドル、24年は540億ドルとなっている。24年中の生産量は18年以来最高水準となった。
トランプ氏は最初の任期中、厳しい制裁を科し、イランの石油輸出をほぼゼロに追いやった。イランはバイデン政権下で制裁逃れに成功、輸出量は増加した。