◎イラクからシリアに入った燃料を輸送するトラック15台が標的となり、大破した。
イラク、首都バグダッド郊外、イスラム過激派に対する米軍のドローン空爆(Getty Images)

イラク当局は8日、シリアに向かっていた燃料輸送車が空爆を受け、少なくとも10人が死亡したと明らかにした。

イラク軍の管理下に置かれている準軍組織の関係者はAP通信の取材に対し、「イラクからシリアに入った燃料を輸送するトラック15台が標的となり、大破した」と語った。

AP通信によると、犯行声明は出ておらず、トラックがどこを出発して、どこに向かっていたかも不明。準軍組織の関係者は死者の中にイラン人が含まれると述べた。

イラクとシリア国境近くではクルド人武装勢力が関連する小規模な衝突が続いており、トルコ政府の動向が最大の焦点になっている。

バグダッドでは7日、米国人のトロール(Stephen Edward Troell)氏が何者かに射殺された。

トロール氏はテネシー州出身の45歳。バグダッド中心部の地区で家族と一緒に住んでいた。報道によると、同氏は自宅前の通りに車を止めたところで銃撃されたという。

イラクの治安はシリア、イラン、アフガンに比べるとこの10年で大幅に改善した。市内で外国人が殺害されたのは数年ぶりだ。

地元メディアによると、トロール氏殺害に関する犯行声明は出ていないという。2週間前に就任したスダニ(Mohammed Shia al-Sudani)首相は関係機関に調査を命じた。

スダニ氏は8日の記者会見で、「トロール氏に対する攻撃は新政権の弱体化を目論む組織の犯行かもしれない」とほのめかした。

またスダニ氏は「事件に関与した者を捕え、イラクの安全保障に影響を与えようとする試みは失敗する」と強調した。

在イラク・米国大使館はイラク当局の捜査を注視しているとし、それ以上のコメントを控えている。

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