◎米国はこの数ヶ月、イラクからイランおよびシリアへのドル流出を阻止する措置をとっており、イラク当局のハードカレンシー(他国通貨と交換可能な通貨)の入手を厳しく制限している。
イラク、首都バグダッドの市場(Getty-Images/PAメディア)

米国のネルソン(Brian Nelson)財務次官(テロリズム・金融情報担当)が4日、イラク中央銀行の総裁とイスタンブールで会談した。

ネルソン氏は声明で、「総裁らとイラクの銀行部門の改革や資金洗浄(マネーロンダリング)・テロ資金対策などについて協議した」と発表。これを受け、イラクの通貨ディナールの急落がストップした。

ネルソン氏はイラク中銀および政府が国際基準に基づく改善を進めていることを称賛し、「米国はイラクの銀行部門の近代化に向けた努力を支援する」と約束した。

米国はこの数ヶ月、イラクからイランおよびシリアへのドル流出を阻止する措置をとっており、イラク当局のハードカレンシー(他国通貨と交換可能な通貨)の入手を厳しく制限している。

2003年の米国によるイラク侵攻以来、イラクの外貨準備およびイラクへのドル供給は米連邦準備制度理事会(FRB)の管理下に置かれている。

イラク・ディナールは今週、「1ドル=1460ディナール」まで値下がりし、国内のいくつかの路上取引所では「1ドル=1750ディナール」で取引されていた。この暴落は抗議とさらなるインフレへの恐怖を引き起こしている。

イラク中銀は3日遅くの声明で、「財務省が共通の目標を達成するために必要な措置を用意すると表明した」と述べている。

4日時点のイラク・ディナールの路上取引所での価格は「1ドル=1600ディナール」まで持ち直した。

イラク政府の代表団は来週、ワシントンD.C.を訪問する予定だ。

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