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イラン政府「米国との協議ない」トランプ氏の発言を否定

両国の対立の焦点となっているのは、世界有数の原油輸送路であるホルムズ海峡の管理や、イランの核開発問題である。
2026年8月3日/イラン、首都テヘランの通り(ロイター通信)

イラン政府は3日、米国との協議が進行中だとするトランプ(Donald Trump)米大統領の発言を否定し、「現在、米国との交渉は行われておらず、会談の予定もない」と表明した。トランプ氏は前日、大規模なイラン攻撃を直前で取りやめた理由について、外交交渉が近く始まる見通しになったためだと説明していたが、イラン側はこれを真っ向から否定し、両国の認識の違いが改めて浮き彫りとなった。

トランプ氏は大統領専用機内で記者団に対し、イランとの協議が早ければ3日にも始まるとの見方を示したうえで、「合意が実現するまで期限を設けない」と述べた。また、中東諸国から軍事行動を控えるよう働きかけがあったことも攻撃中止の判断材料だったと説明し、外交による事態打開に期待を示した。一方で、交渉が進展しなければ軍事的選択肢を排除しない姿勢も維持している。

これに対し、イラン外務省のバガイ(Esmaeil Baghaei)報道官は記者会見で、「米国との協議は存在しない」と断言。「アラグチ(Abbas Araghchi)外相は宗教行事への巡礼中であり、外交交渉には参加していない」と説明したうえで、「現在進められているのはオマーンとの間で行われているホルムズ海峡の航行管理に関する協議だけだ」と強調した。イラン側は、米国との直接対話が再開したとの見方を否定し、外交姿勢に変更はないとしている。

両国の対立の焦点となっているのは、世界有数の原油輸送路であるホルムズ海峡の管理や、イランの核開発問題である。米国は海峡の安全な航行確保を求める一方、イランは自国の主権を尊重した管理体制を主張しており、双方の隔たりは大きい。トランプ政権は近く合意に達する可能性を示唆しているが、イラン側は交渉の存在自体を否定し、早期の妥結は見通せない状況だ。

一方、市場は軍事衝突の回避を好感した。トランプ氏が攻撃を見送ったことを受け、原油価格は大幅に下落し、中東情勢が一段と悪化するとの懸念はひとまず後退した。ただ、両国の主張は食い違ったままで、交渉開始の時期や条件も明らかになっていない。過去数か月間も、軍事圧力と外交模索が繰り返されてきた経緯があり、今回も緊張緩和につながるかどうかは不透明である。

専門家は、偶発的な衝突や誤算によって情勢が再び悪化する可能性も残されているとして、両国の動向を注視する必要があると指摘している。

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