◎現場はパキスタン国境に近い郊外の集落。車に乗った武装集団が国境警備隊に車両に向けて銃を乱射し、将校1人と隊員2人が死亡、民間人1人が負傷した。
イラン、南部シスタンバルチスタン州の集落(Getty Images)

イラン南部シスタンバルチスタン州で武装集団が国境警備隊員3人を射殺した。国営イラン通信(IRNA)が12日に報じた。

それによると、現場はパキスタン国境に近い郊外の集落。車に乗った武装集団が国境警備隊に車両に向けて銃を乱射し、将校1人と隊員2人が死亡、民間人1人が負傷したという。

IRNAは当局者の話しとして、「パキスタンに拠点を置く過激派ジャイシュ・アル・アドルが犯行声明を出した」と報じている。

ジャイシュ・アル・アドルはイラン南部の少数民族バルチ族の権利拡充を求めており、イランを含むいくつかの国でテロ組織に指定されている。

同州では今年4月にも2度戦闘があり、陸軍兵士と警察官少なくとも22人が死亡している。この時もジャイシュ・アル・アドルが犯行声明を出していた。

アフガンおよびとパキスタンと国境を接する同州ではイスラム過激派、麻薬密売組織、イランの民兵が時折、衝突している。

昨年末には武装勢力が同州の警察署を襲撃し、警察官12人近くを殺害した。

シスタンバルチスタン州はイランで最も開発が遅れている地域のひとつであり、イスラム教スンニ派が多数派を占める。イラン指導部はシーア派を国教に定めている。

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