SHARE:

中国外相がイラン外相と会談、ホルムズ海峡の早期航行再開求める

中国の働きかけが緊張緩和につながるかは不透明だが、主要国間の外交交渉が今後の情勢を左右する重要な局面に入っている。
2026年5月6日/中国、首都北京、王毅 外相(右)とイランのアラグチ外相(Getty Images/AFP通信)

中国の王毅(Wang Yi)外相は6日、イランに対し、戦略的要衝であるホルムズ海峡の早期再開を求め、米国との対話継続を促した。王毅氏は首都北京でアラグチ(Abbas Araghchi)外相と会談し、海峡を「できるだけ早く再開する」必要性を強調。緊張緩和と停戦維持を最優先課題とする姿勢を示した。

今回の訪中は米国とイランの対立が軍事衝突に発展し、世界のエネルギー供給に影響を及ぼしている中で実現したものである。中国側は対話を通じた問題解決を一貫して支持しており、双方に対し外交的手段による打開を呼びかけた。

ホルムズ海峡はペルシャ湾とオマーン湾を結ぶ世界有数の海上交通路、世界の石油輸送の2割が通過する重要拠点である。この海域が封鎖されることで、原油価格の高騰や物流停滞が発生し、世界経済に大きな影響を与えてきた。

米国とイスラエルによる攻撃や、それに対抗するイランの対応により、海峡の航行は大きく制限されている。米国はイランの港湾に対する逆封鎖を維持、イラン側もこれに反発して航行制限を強化するなど、緊張は収まっていない。

中国はこうした状況に対し、停戦の維持と航行の自由確保が国際社会共通の利益であると強調してきた。今回の会談でも、王毅氏は安全な航行の回復が急務であるとし、関係国に対して自制と協調を求めた。また、中国は米国とイランの対話再開を支持し、仲介役としての関与にも意欲を示している。

一方、イラン側は自国の行動を防衛措置と位置付けつつも、外交的解決への姿勢を示している。アラグチ氏は中国との協力関係を重視し、国際的な枠組みの中で交渉を進める意向を表明した。こうした動きは対立が続く中でも交渉の余地が残されていることを示唆している。

今回の協議は5月14~15日に予定される米中首脳会談を前に行われた点でも注目される。トランプ政権は中国に対し、イランへの影響力を行使して海峡再開を働きかけるよう求めており、ホルムズ海峡問題は米中間の重要議題の一つとなっている。

中国にとっても中東からのエネルギー輸入は経済の根幹を支える要素で、海峡封鎖の長期化は大きな打撃となる。そのため北京は軍事的関与を避けつつも外交的影響力を行使し、紛争の沈静化と航路の正常化を目指している。

ホルムズ海峡の再開は単なる地域問題にとどまらず、国際エネルギー市場や安全保障に直結する課題である。中国の働きかけが緊張緩和につながるかは不透明だが、主要国間の外交交渉が今後の情勢を左右する重要な局面に入っている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします