2016年から癌と戦っていた

映画「ブラックパンサー」などに主演したことで知られる俳優のチャドウィック・ボーズマン氏が死去した。43歳だった。

ボーズマン氏の公式ツイッターアカウントによると、同氏は2016年から癌と戦っていたという。

ボーズマン氏の広報担当者は以下の通りコメントした。

広報担当者:
「彼の死を受け入れることは悲しく、そして辛い。チャドウィックは2016年にステージ3の大腸癌と診断され、ステージ4に進行後も戦い続けた

「彼は驚異的な忍耐強さでありとあらゆることに耐え、皆に愛される素晴らしい作品をもたらしてくれた」

「マーシャル(法廷を変えた男)、ザ・ファイブ・ブラッズ、マ・レイニーのブラック・ボトムなどは、数えきれないほどの手術と化学療法の間に撮影された」

ブラックパンサー

声明によると、ボーズマン氏は自宅で妻と家族に看取られ、息を引き取ったという。

同氏は癌と戦っていたことを公表していなかった

ボーズマン氏は2008年の「The Express:The Ernie Davis Story」で映画初主演を果たした。この作品では、NFLのクリーブランド・ブラウンズでプレイしたアーニー・デイビスを演じている。

また、映画「42 〜世界を変えた男〜(2013年)」では、伝説の黒人メジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンを演じた。

そして、10億ドル超の興行収入を達成し、ボーズマン氏の名を世界に知らしめスターの座に押し上げたマーベル・シネマティック・ユニバース作品で、ブラックパンサーことティ・チャラを演じた。

同氏は2016年に公開された「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」でこのキャラクターを初めて演じ、2年後に単独作品に主演した。

映画ブラックパンサーは2018年にリリースされ、世界興行収入は総額13億ドルを突破。アカデミー賞の最優秀作品賞などにノミネートされた。なお、マーベル作品などのスーパーヒーロー映画がこの章にノミネートされることはほとんど例がない。

同作は7部門にノミネートされ、作曲賞・美術賞、衣装デザイン賞の3部門を受賞した。

映画ブラックパンサーは、2019年の全米映画俳優組合賞でも最高賞を受賞した。

ボーズマン氏の死を発表したメッセージの中で、「ブラックパンサー、キングティ・チャラを演じたことは、彼の人生の名誉だった」と述べられている。

同作でボーズマン氏と共演した女優のルピタ・ニョンゴ氏はインスタグラムにコメントを投稿した。

ルピタ・ニョンゴ氏:
私はあなたの静かで自信に満ちた堂々たる性格に感心している。あなたはすべての知識、知恵、肉体をティ・チャラにもたらした。あなたは私たちを導いてくれた

ボーズマン氏は2018年に大ヒットした「アベンジャーズ:インフィニティウォー」と、昨年公開された「アベンジャーズ:エンドゲーム」にも出演した。

マーベルスタジオは公式ツイッターに声明を発表した。

マーベルスタジオ:
「私たちは打ちひしがれている。私たちの気持ちはチャドウィック・ボーズマンの家族と同じである。あなたの遺産は永遠に生き続ける。どうか安らかにおやすみください」

「ブラックパンサー」MovieNEX 予告編

チャドウィック・ボーズマン

ウォルトディズニーカンパニーのボブ・アイガー会長はボーズマン氏について、「彼は並外れた才能の持ち主であり、私が今まで出会った中で、最も優しい心と魂を持つ男のひとりだった」とコメントした。

ボブ・アイガー会長:
「彼はブラックパンサーという画期的な役を強さ、尊厳、慈悲深い心で演じ、スーパーヒーロー映画の概念を変えてしまった

「彼の家族、友人、そして世界中のファンたちは、彼がスクリーンから退席したことに心を痛めている。ディズニースタジオを代表して、彼と彼の家族に哀悼の意を表する」

マーベル作品で共演した俳優のドン・チードル氏とマーク・ラファロ氏は、それぞれツイッターでお悔やみのコメントを投稿した。

マーベル・シネマティック・ユニバースでキャプテン・アメリカを演じた俳優のクリス・エヴァンス氏もコメントを投稿した。

クリス・エヴァンス氏:
「彼は真のオリジナルだった。彼はいつも熱心で好奇心旺盛なアーティストだった。彼には、これから作らなければならない素晴らしい作品がまだまだたくさんあった」

マーベルスタジオのケヴィン・ファイギ社長は、「チャドウィックの死を受け入れたくない。彼は私たちのティ・チャラ、私たちのブラックパンサー、そして私たちの親愛なる友人だった」とコメントした。

ケヴィン・ファイギ社長:
「彼はスタジオに現れるたびに、カリスマ性と感動を放ち、モニターに映ると言葉では表現できない”何か”を作り出した」

彼は多くの素晴らしい作品をその人柄と強さで具現化した。彼は世界から愛された伝説の偉人たちを演じ、人々を魅了した」

「チャドウィックは彼自身の賢さ、強さ、親切さで役を演じ、表現することができた。マーベルスタジオは彼の損失を深く悼み、彼の家族と同じ気持ちでいる」

映画『ジェームス・ブラウン〜最高の魂(ソウル)を持つ男〜』スペシャル映像

『マーシャル 法廷を変えた男』

『ザ・ファイブ・ブラッズ』予告編 - Netflix

21 Bridges Trailer #1 (2019)

アーニー・デイビス、ジャッキー・ロビンソンを皮切りに、ボーズマン氏は2014年に「Get On Up」でジェームス・ブラウンを、映画「マーシャル」の中では、アフリカ系アメリカ人として初めて合衆国最高裁判所判事を務めたサーグッド・マーシャルを演じ、高く評価された。

また、昨年には「21 Bridges」でプロデュース兼主演を務め、今年初めにリリースされたスパイク・リー監督のネットフリックス作品、「ザ・ファイブ・ブラッズ」にも出演していた。

ボーズマン氏はサウスカロライナ州アンダーソン出身。ワシントンD.C.のハワード大学に通い、学士号を取得、卒業した。

ハワード大学のウェイン・A・I・フレデリック学長は、「今夜亡くなったチャドウィック・ボーズマンの死を悼むことは、辛く、悲しい。彼の驚異的な才能は、彼が演じたキャラクターを通じて、同校の学生に感銘を与えた。彼と彼が演じたスーパーヒーローは永遠に不滅である」とコメントした

民主党の副大統領候補に指名されたカマラ・ハリス氏もハワード大学の卒業生である。ハリス氏はツイッターにボーズマン氏と撮影した写真を投稿した。

なお、ボーズマン氏自身が投稿した最後のツイートは、ハリス氏がジョー・バイデン氏のランニングメイトに選ばれたことを祝福するものだった。

カマラ・ハリス氏
「私の友人であり同胞のチャドウィック・ボーズマンは、素晴らしく、親切で、学ぶことを忘れず、謙虚だった。彼と彼の家族に哀悼の意を表する」

民主党大統領候補に選ばれたジョー・バイデン氏は、「世代を鼓舞し、”自分の望むものになれる”ということをボーズマン氏は示した」とツイートした。

ボーズマン氏が演じたティ・チャラは、昨年公開され、世界興行収入の歴代記録を塗り替えた「アベンジャーズ:エンドゲーム」の中でトニー・スタークの葬儀に出席し、ブラックパンサーの続編製作も決まっていた。

ブラックパンサー2(仮題)は、今後公開されるマーベル作品の中で、最も期待されている作品のひとつである。

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