SHARE:

スペイン南部で山火事延焼中、12人死亡、23人行方不明

被害が集中したのはイギリスをはじめ欧州各国から移住した住民が多く暮らす山間部の集落だった。
2026年7月10日/スペイン、南部アンダルシア自治州アルメリア近郊で発生した山火事(AP通信)

スペイン南部アンダルシア自治州で発生した山火事が多くの外国人居住者が暮らす地域を直撃し、少なくとも12人が死亡、23人が行方不明となっている。地元当局によると、火災は10日に同州アルメリア近郊で発生し、強風と乾燥した植生、記録的な高温の影響で急速に燃え広がった。焼失面積は32平方キロメートルを超え、スペインで近年最悪級の山火事となっている。

被害が集中したのはイギリスをはじめ欧州各国から移住した住民が多く暮らす山間部の集落だった。死者の多くは車内や屋外で発見され、一部は避難指示に従わず炎や煙に巻き込まれたとみられる。当局は焼けた車両のハンドル位置から少なくとも4人は英国人とみられると説明しており、他にも複数の外国人が犠牲になった可能性がある。遺体の損傷が激しいため、DNA鑑定が進められている。

火災はわずか数時間で約15キロにわたって延焼した。送電線の断線による出火の可能性が報じられている。消防が詳しい原因を調査している。消火活動には150人を超える消防隊員に加え、約220人の軍部隊や航空機が投入されたが、険しい地形と強風により、鎮火の見通しは立っていない。約1000人の住民が避難を余儀なくされ、周辺道路も封鎖された。

スペインでは今夏、熱波が続き各地で40度前後の高温が続いている。乾燥した植生や強風が重なり、山火事の危険性が著しく高まっている。専門家は温暖化による気候変動が猛暑や干ばつを長期化させ、大規模火災の発生リスクを高めていると指摘する。また、農村部の人口減少や森林管理の不足により、可燃物が蓄積しやすい環境になっていることも被害拡大の一因とみられている。

サンチェス(Pedro Sánchez)首相は犠牲者への哀悼の意を表明するとともに、被災者への支援を約束した。当局は23人の行方を捜索しており、死者数はさらに増える恐れがある。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします