◎11号は8日午後に熱帯低気圧に変わったものの、9日も一部地域に大雨をもたらしている。
2024年9月9日/ベトナム、フート省、崩落した鉄橋(AP通信)

台風11号(ヤギ)に見舞われたベトナムで9日も大雨が続き、複数の省で被害が拡大。国営メディアは9日、これまでに64人の死亡が確認され、数十人が行方不明になっていると報じた。

11号は7日午後に北部クアンニン省に上陸。この地域で風速40メートルを記録した。

11号は8日午後に熱帯低気圧に変わったものの、9日も一部地域に大雨をもたらしている。

国営メディアは8日時点の死者数を21人、負傷者を229人と報じていた。

山間部のカオバン省では9日朝、20人を乗せたバスが増水した川に流された。報道によると、4人の遺体が収容され、1人が生還。警察が残り15人を捜索している。

フート省では川に架かる鉄橋が9日朝に崩壊し、救助活動が続けられている。報道によると、少なくとも10台の車とトラック、2台のバイクが川に転落したという。

数人が川から引き上げられ病院に搬送された。少なくとも10人が行方不明になっている。

川に転落し、その後救助された女性は国営テレビの取材に対し、「泳げないので、本当に死ぬかと思った」と語った。

クアンニン省とハイフォンの一部地域では9日になっても停電が続いている。

両地域は工業の中心地で、EVメーカー、米IT大手アップルの関連企業など、数百の工場がある。当局はこれらの工場の被害状況を調査しているが、初期の推定では100社近くが被害を受け、数百万ドルの損失が出たと報告している。

中国南部・海南省とフィリピンでも台風11号による被害が拡大し、両国で合わせて24人が死亡、数十人が負傷した。

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