◎アフリカ南部では12月から3月にかけてサイクロンが発生する。
2023年1月28日/マダガスカル、首都アンタナナリボ、冠水した道路をボートで進む市民(Alexander Joe/AP通信)

マダガスカル政府は30日、ここ数日の暴風雨により、少なくとも30人が死亡、20人が行方不明となり、10万人近くが被災したと発表した。

危機管理局によると、北東部に先週上陸した熱帯低気圧はその後勢力を強め、北部と中部の広い範囲に甚大な被害をもたらしたという。

同局の報道官は地元メディアのインタビューで、「約8万9000人が被災し、少なくとも3万3000人が避難を余儀なくされ、物流が滞った影響で食料品の価格が高騰している」と語った。

気象庁によると、熱帯低気圧は国を横断してモザンビーク海峡に入ったという。最大風速は48m/sに達した。

危機管理局の報道官は「多くの家屋が浸水または倒壊し、地滑りに巻き込まれた人もいる」と述べた。

また報道官は、「市民は適切な行動を取っているが、嵐は予想より早く市街地を襲い、川を破壊し、橋をコナゴナに吹き飛ばした」と語った。

AP通信によると、首都アンタナナリボでも道路の冠水や地滑り被害が報告されたという。

北西部地域では少なくとも3万3000人が自宅を離れ、街の中心部に避難したと伝えられている。地元住民は日用品が食料品が高騰しているとSNSに投稿した。

あるツイッターユーザーは「嵐の後、野菜や米の値段が大幅に上がり、トマトの価格は4倍になった」と投稿している。「商人たちは道路が寸断されて野菜が届かないと嘆いています...」

APによると、アンタナナリボの北方約100kmに位置する港湾都市は最も大きな被害を受けた地域のひとつで、街の広い範囲が冠水したという。被害の全容は明らかになっていない。

SNSには胸の高さまで冠水した道路を進む人や、カヌーで高齢者を避難させる救助隊の写真などが共有されている。

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