◎浸水した家屋は数百戸と伝えられているが、被害の全容はまだ明らかになっていない。
2022年7月31日/ケンタッキー州ジャクソン、行方不明者を探す救助隊(ロイター通信)

ケンタッキー州政府は1日、東部の一部地域で発生した洪水について、これまでに37人の死亡を確認し、数百人と連絡が取れないと発表した。

報道によると、ある夫婦は1歳から8歳の兄弟4人を亡くしたという。

同州のビシア(Andy Beshear)州知事は記者団に、「現時点で数百人と連絡が取れず、死者数は増える可能性が高い」と語った。

電力会社によると、31日午後時点の停電世帯数は約1万2000世帯。浸水した家屋は数百戸と伝えられているが、被害の全容はまだ明らかになっていない。

ビシア氏は道路や橋などのインフラも甚大な被害を受け、復旧には数百万から数千万ドルかかるという見方を示した。

専門家によると、ケンタッキー州でこの規模の洪水被害が報告されたのは数十年ぶり。

バイデン(Joe Biden)大統領は先月30日、ビシア氏の要請に基づき連邦災害を宣言し、深刻な被害を受けた郡に連邦予算を割り当てると発表した。

報道によると、同州ノースフォークやジャクソンの被害が特に深刻で、約300人が公共施設や教会に避難したという。一部の被災者は州政府が用意した移動式住宅に避難している。

ビシア氏は被災者の大半が衣服すら持ち合わせていないと述べ、必要な支援をすべての避難所に速やかに届けると約束した。

AP通信によると、一部地域で略奪が報告されたという。州政府は2つの郡に夜間外出禁止令を出した。

救助隊は小雨が降る中、行方不明者の捜索を続けている。気象当局によると、大雨のピークは過ぎたが、今週も山間部でまとまった雨が降る可能性があるという。

東部ノット郡ではトレーラーハウス内にいた2歳、4歳、6歳、8歳の兄弟が流され、全員の死亡が確認された。

兄弟の叔母はCNNニュースの取材に対し、「両親は4人を助けようとしたが、流されてしまった」と語った。

2022年7月31日/ケンタッキー州ジャクソン郊外の河川(Getty Images/AFP通信)
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