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ギリシャ干ばつ、夏の観光シーズンにも影響、危機的状況

気候変動による高温化と雨量の減少が背景にあり、観光業と住民生活を支える水資源の持続的な管理が問われている。
2026年7月13日/ギリシャ、アスティパレア島(ロイター通信)

地中海有数の観光地として知られるギリシャの島々で「干ばつ」による水不足が広がっている。夏の観光シーズンが本格化し、国内外から多くの旅行者が訪れる中、生活用水や農業用水の確保が大きな課題となっており、政府・自治体は海水淡水化設備の増設や節水対策を急いでいる。気候変動による高温化と雨量の減少が背景にあり、観光業と住民生活を支える水資源の持続的な管理が問われている。

特に影響が大きいのがエーゲ海に浮かぶアスティパレア島など7島で、当局が干ばつ非常事態を宣言した。島では2020年以降で最も少ない雨量となり、唯一の貯水池の貯水量は容量の6分の1まで減少した。このため農家への灌漑用水の供給を停止するとともに、住民向けの飲料水を確保するため、仮設の海水淡水化施設を緊急配備した。政府は複数の島を対象に総額1500万ユーロの水資源対策を承認し、このうち150万ユーロをアスティパレア島に配分する方針を示している。

農業への影響も深刻だ。島では地下水の塩分濃度が高まり、農家は塩分を含む井戸水で果樹や農作物を育てざるを得ない状況に置かれている。長年かんきつ類を栽培してきた農家は、干ばつによって樹木が枯れ始めていると訴え、「このままでは農業を続けられない」と危機感を示す。牧草地も乾燥し、家畜の飼育にも影響が及んでいる。水不足は農業生産だけでなく、島の伝統的な生業や地域経済にも打撃を与え始めている。

一方、観光客の増加は水需要をさらに押し上げている。夏季には島の人口が数倍に膨れ上がることもあり、既存の淡水化設備だけでは需要を賄いきれないケースが相次ぐ。このためホテルでは宿泊客に対し、タオルやシーツの毎日の交換を控えるよう呼びかけるなど節水への協力を求めている。自治体も住民と観光客の双方に節水を呼びかけ、水資源の確保に全力を挙げている。

専門家は、地球温暖化による気温上昇と降水パターンの変化によって、地中海地域では干ばつが今後さらに頻発すると警告する。ギリシャ政府も水問題を国家の安全保障や経済の持続可能性に関わる重要課題と位置付けており、2049年までに一部地域で水不足がさらに悪化する可能性があるとの見通しを示している。観光立国であるギリシャにとって、限られた水資源をいかに守りながら観光産業を維持するかが、今後の大きな課題となりそうだ。

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