◎米国の山火事シーズンは通常、10月末頃まで続き、11月に入ると落ち着くことが多い。
2024年11月8日/米ニュージャージー州郊外で発生した山火事とNYの夜景(AP通信)

ニュージャージー州の山火事がニューヨーク州の境界を越え、延焼中だ。現地メディアによると、10日午後からこの地域で雨が降り始めたものの、鎮火には至っていないという。

NJ州消防局は声明で、「ニューヨーク境界の山火事の焼失面積は2500エーカー(東京ドーム220個分)を超え、いくつかの建造物を脅かしている」と明らかにした。

国立気象局(NWS)はボストンからニューヨーク、フィラデルフィアからワシントンDCにかけて、山火事のリスクが高まっているとして警報を出している。

フィラデルフィアでは42日間降雨がなく、ニューヨーク市も歴史上最も乾燥した月となったが、北東部郊外で久しぶりに雨が降った。

NJ州消防局の署長は記者会見で、「山間部を含む一部地域で降雨を確認したものの、10日午後の時点で鎮火率は0%であり、複数の山火事が延焼し続けている」と語った。

NWSによると、まとまった雨は期待できそうにない。

署長は「雨が山火事エリアに降るとは限らず、署員は誰一人楽観視していない」と述べ、市民に対し、避難命令や勧告が出た場合は迷うことなく従うよう求めた。

また署長は「雨で山肌が多少潤ったとしても、鎮火には数週間かかる可能性が高い」と強調した。

消防によると、10月1日以来、ニュージャージー州の消防士は537件の山火事に対応したという。

NY州消防局は10月1日以来、60件の山火事に対応している。焼失面積は2100エーカーほどだ。

国立公園局(NPS)は10日、NY州の州立公園で消火活動に当たっていた18歳の職員が9日に亡くなったと明らかにした。

死因は明らかになっていないが、消火活動中に行方が分からなくなり、その後、遺体となって発見されたという。

米国の山火事シーズンは通常、10月末頃まで続き、11月に入ると落ち着くことが多い。

しかし、今年は11月に入っても季節外れの高温と乾燥が続き、山火事の発生リスクが高い状態が続いている。

今年の全米の山火事による焼失面積は4万平方キロメートル(東京都面積の18倍)を超えている。

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