◎チリは先月から熱波に見舞われ、中部以外の地域でも高温・乾燥・強風が続いている。
2022年12月22日/チリ、バルパライソ州ビニャデルマル(Matias Basualdo/AP通信)

チリ当局は3日、中部地方で150を超える山火事が発生し、少なくとも13人が死亡、多数の家屋と森林が焼失したと報告した。

首都サンティアゴの南方約560kmに位置するビオビオ州では車2台が逃げ遅れ、4人が死亡。さらに、消火活動に当たっていた消防士が消防車にひかれ死亡した。

3日午後には中部ニュブレ州郊外で消火活動に当たっていた消防ヘリが墜落し、パイロットと整備士が死亡したと報告されている。

政府の緊急事態庁は3日、これまでに13人の死亡を確認し、死者数は増加する可能性があると声明を出した。

同庁によると、3日正午の時点で151の山火事が発生し、そのうち65カ所は鎮火。焼失面積は1万4000ヘクタール(東京ドーム3000個分)を超えたという。

山火事の大半はビオビオ州とニュブレ州で発生している。政府は非常事態宣言を発令し、軍に出動を命じた。

チリは先月から熱波に見舞われ、中部以外の地域でも高温・乾燥・強風が続いている。

ボリッチ(Gabriel Boric)大統領は3日、被災地を視察し、「一部の山火事は無許可の野焼きが引き起こしたものである」と明らかにした。

ボリッチ氏は記者団に対し、「人命を最優先し、州政府と連携して消火および支援活動に全力を挙げる」と語った。

被害の全容は明らかになっておらず、軍・警察・消防が連携した調査に当たっている。

ビオビオ州政府の報道官は地元メディアの取材に対し、「多くの市民が避難を余儀なくされている」と語った。

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