2020年10月30日 AP通信/ミシガン州、ウォーターフォードのオークランド郡国際空港、ポーズを決めるトランプ大統領

フロリダ州のディズニーランドは閉鎖を命じられたままだが、特権を振りかざすトランプ大統領は、国内最大規模のトランプランド集会を連日開催し、聴衆を大いに盛り上げている。

チームトランプとトランプ大統領は、州の感染予防対策(集会の人数制限)を却下。全国各地で開催される国内最大規模の娯楽イベントには毎回数千人規模の共和党支持者が押し寄せ、社会的距離とマスク着用ルールにとらわれることなく盛り上がっている

トランプランドについて、ホワイトハウスコロナウイルス対策チームの最高顧問を務める感染症のエキスパート、アンソニー・ファウチ博士は次のように述べている。

アンソニー・ファウチ博士:
「社会的距離のルールを一切守らず、マスク未着用者が大半を占める集会は、ウイルスを拡散する最高のホットスポットである」

これに対し、会場でマスクとアルコール消毒液を配布するチームトランプのスタッフは参加者たちについて、「ブラック・ライブス・マターの抗議者たちと同じ。彼らは平和的に抗議しているだけだ」と主張する。

一部の州では集会の上限人数を無視したとして、チームトランプに罰金を科している。しかし、感染が急速に拡大しているにも関わらず、集会は続いている。

今週、ミネソタ州の小さな町で集会を予定していたチームトランプは、州当局の集会人数上限規則、250人に従うと発表。これに対しトランプ大統領はホワイトハウスで記者団に対し、次のように述べた。

ドナルド・トランプ大統領:
「この町の住民は25,000人。彼らは全員イベントに参加したいと言っている。しかし、彼らは250人しか参加できない」

「住民たちはイベントがなくなると悲しんでいる。しかし、私はキャンセルしない。私は彼らに会うだろう」

チームトランプはミネソタ州のティム・ワルツ民主党州知事とキース・エリソン州司法長官に対し、「言論の自由を抑圧する命令、私たちは決して屈しない」と述べ、規則を非難した。

ワルツ州知事は以前、マイク・ペンス副大統領が州の集会人数上限規則を無視したことについて、「非常に失望した」と述べている。

30日、250人ルールに従うと発表したチームトランプは小規模な集会を開催。警察当局は群衆の数を650人と推定した。なお、チームトランプはミネソタ州に罰金1,000ドルを支払ったという。

2020年10月30日 Getty Images/ワシントンD.C.ホワイトハウスで記者団に話しかけるトランプ大統領

ミネソタ州保健局は、集会に参加した16人のコロナ感染を確認したと発表。これにより、同州内で開催されたチームトランプ集会に関連する感染者は24人、さらに、反トランプ集会でも小規模なクラスターが発生したという。

しかし、共和党支持者はトランプ大統領を求め続ける。

ミシガン州のイザベル・ベネジャム氏(69歳)は「Make America Great Again」の帽子と、「Trump2020」と書かれたマスクを着用し、ABCニュースの取材に答えた。

イザベル・ベネジャム氏:
「私は全く恐れていない。私たちは正常に戻る必要がある」

一方、感染拡大に細心の注意を払うジョー・バイデン氏は、有権者に社会的距離の確保とマスク着用、そして支持を呼びかけ続けている

連日ドライブインキャンペーン集会を開催するバイデン氏はトランプランドを「スーパー・スプレッダーイベント」と呼び、今すぐ専門家の意見に耳を傾けるべきと厳しく非難している。

2020年10月30日 AP通信/ミシガン州、ウォーターフォードのオークランド郡国際空港、帽子を投げるトランプ大統領

トランプランドを危険視する人々

バージニア州の公衆衛生当局は、9月25日に開催されたチームトランプの集会が集会制限人数の250人を大幅に上回っていたと発表した。

同州ニューポートニューズのザック・ネイアー氏と同僚たちは、6月下旬から現在までの同地域の感染状況をチェックし、結果を健康ニュースサイトSTATに公開した。

それによると、チームトランプが集会を開催した14の市と町のうち、7カ所で感染者の急増が見られたという。

しかし、専門家は症例数の増加とトランプランドが明確に関連しているとは限らないと述べた。

ウィスコンシン州マラソン郡保健局の広報担当官、ジュディ・パロウズ氏はABCニュースの取材に対し、次のように述べている。

ジュディ・パロウズ氏:
「大規模集会開始以前から症例数は大幅に増加していた」

「増加の原因はトランプだけではない。もちろん、バイデン氏や民主党のチーム関係者でもない」

「人々は、数カ月前からマスク着用と社会的距離のルールを守らず、一カ所に集まっていた。トランプも問題だが、全てを集会のせいにすることはできない」

メイン州レヴァントの果樹園、トルーオージー・ファミリー・オーチャードズは、トランプ大統領の訪問を受け入れたことを後悔しているという。

9月25日、果樹園はトランプ大統領が客と記念撮影などを楽しむと期待していた。しかし、現れたのはマスクを紛失したおびただしい数の共和党支持者たち。彼らは社会的距離を無視し、果樹園一帯を占拠した。

トルーオージー・ファミリー・オーチャードズ:
「私たちは25日の訪問が一般公開されるとは知らなかった。農場の業務はシークレットサービスに支配され、群衆はノーマスクで周辺をうろついていた。私たちスタッフはその日何もできなかった」

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