◎イギリスの12月12日のオミクロン株症例数は1,239件、総数は3,000件を超えた。
2021年12月12日/イギリス、ロンドンの首相官邸、ボリス・ジョンソン首相(Kirsty O'Connor/Pool/AP通信)

12月12日、イギリスのボリス・ジョンソン首相はコロナ変異ウイルス「オミクロン株」の津波がやってくると警告し、既存のブースターショット計画を強化すると発表した。

ジョンソン首相は12日に放送されたテレビ演説の中で、「オミクロンの津波がやってくる」と述べ、今月末までに18歳以上の全国民にブースターショットを提供すると述べた。以前の目標は1月末だった。

ジョンソン首相はオミクロン株の症例数が急増していることに深刻な懸念を表明したうえで、ワクチンを2回接種しただけでは感染を抑えることはできないと強調した。「イギリスの科学者はブースターショットで非接種者の免疫力を回復できると信じています...」

またジョンソン首相はブースター計画の前倒しを「国家的使命」と呼び、全国のワクチン接種体制を強化すると発表した。BBCニュースなどによると、政府は軍の担当チームと数千人の医療ボランティアを各地に派遣する予定だという。

この計画はイングランドだけでなくスコットランド、ウェールズ、北アイルランドにも適用される。これにより、2回目の接種から「3か月」以上経過した18歳以上の英国民はブースターを接種できるようになる。

政府の医療トップは11日の声明で、イギリス全土の警戒アラートを現在のレベル3から4に引き上げるよう提案し、政府はこの提案を承認した。アラートは5段階に分類され、レベル3は「流行」、レベル4は「大規模な流行」、レベル5は「医療崩壊の危機」。

BBCニュースによると、30歳以上は2回目接種から2カ月経過するとオンラインでブースターを予約できるようになるという。当局のウェブサイトは12月15日から予約の受付を開始する予定。

英国保健安全局(HSE)が先日公表したオミクロン株の初期調査データによると、既存のコロナワクチン2回接種でオミクロン株の「感染を防ぐ」ことは難しいが、ブースターを接種した人の保護率は70~75%に上昇した。

イギリスの12歳以上のワクチン完全接種率は12月11日時点で80%を超え、成人の約40%がブースターを接種しているが、目標を達成するためには1日100万回以上を目指す必要がある。ジョンソン首相は演説の中で、「目標を達成するためには、医療機関の日常業務や他の手術を延期する必要がある」と述べた。

現地メディアによると、一部の医療団体は接種体制を強化するために、定期健康診断や急を要さない手術などの延期に同意したという。

ジョンソン首相が発表したブースターショット計画の概要は次の通り。

・支援を必要とする地域のために軍の特別チームを編成する。(42チーム)

・追加のワクチン接種所とモバイルユニット(出張接種サービス)を全国に展開する。

・医療機関にワクチン接種要員(医療ボランティア)数千人を派遣する。ボランティアの教育は別途行う。

・スコットランド、ウェールズ、北アイルランドに必要な支援を提供する。

HSEは先日の声明で、「オミクロン株はデルタ株以上の勢いで拡散しており、対応を取らなければ今後数日以内に国内の全症例の半分以上がオミクロン株に置きかわる可能性がある」と警告した。

12月12日のオミクロン株症例数は1,239件、総数は3,000件を超えたが、実際の感染者ははるかに多いと推定されている。

スコットランドと北アイルランドは30歳以上のブースターをすでに開始しており、2回目接種から3か月以上経過した18歳~29歳は今週後半から予約を行えるようになる。

スコットランドのニコラ・スタージョン首相は12日、「スコットランドのブースター接種率はイギリスの中で最も高いが、年末までにさらに多くのワクチンを接種しなければならない」と述べ、対象者に袖をまくり上げるよう強く促した。

イギリスは西側諸国のWithコロナ政策をリードしてきたが、オミクロン株の感染拡大はジョンソン首相の計画と国民のクリスマスの予定を完全に狂わせた。

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