「デューン/砂の惑星」と「バットマン」の公開延期が決定

リーガルシネマ閉鎖を受けての措置

リーガルシネマの一時閉鎖報道を受け、2020年の劇場公開カレンダーはさらに寂しくなった。なお、北米最大の劇場チェーンを誇るAMCエンターテイメントは引き続きオープンすると公表しているが、映画の前途は厳しい。

10月5日、ワーナー・ブラザーズは2020年12月公開を予定していた「デューン/砂の惑星（原題：Dune）」を2021年10月に延期すると発表した。

また、ロバート・パティンソン主演のDC新作映画「バットマン（原題：Batman）」を2022年3月、SFアクションの金字塔、「マトリックス」の最新作も2021年12月にそれぞれ延期するという。

バットマンは2021年10月1日公開予定だったため、デューンとの競合を避けたものと思われる。

バットマンは9月初めに主要な撮影を再開したものの、制作チームスタッフがコロナウイルスに感染、再停止を余儀なくされた。

なお、一部の報道機関は陽性者をロバート・パティンソンと報道したが、事実かどうかは分かっていない。

ハリウッドの各スタジオはコロナウイルスの影響を考慮し、大作映画のリリーズを思いとどまっている。そして、映画チェーンは観客を引き戻すためにこれらの公開を心待ちにしていたが、目論見は外れた。

AMCエンターテイメントは、「映画を維持する」というコミットメントを繰り返し、今週公開されるロバート・デ・ニーロの新作「ザ・ウォー・ウィズ・グランパ（原題:The War with Grandpa）」などで集客を期待できると主張している。

リーガルシネマに致命傷を与えたMI6スパイエージェントは2021年に退散したものの、2020年に公開される大作映画はまだ残っている。

11月20日にはピクサーの「ソウルフル・ワールド（原題：Soul）」、11月25日にはユニバーサル・ピクチャーズの「クルードさんちのはじめての冒険2（原題：The Croods: A New Age）」、12月18日「ナイルに死す （原題：Death on the Nile）」、クリスマスには「ワンダーウーマン1984 （原題：Wonder Woman 1984）」が公開予定である。

世界最大の主要市場、ニューヨークとロサンゼルスの映画館は事業再開に苦労しており、これらの大作映画は関係者の希望の星と言われている。

10月5日、シネワールドはアメリカとイギリスの映画館（リーガルシネマ他）計663カ所を一時的に閉鎖すると発表した。

さらに先週、映画館、映画スタジオ、監督を代表するグループは、映画業界への財政的支援を求めて米議会に嘆願書を提出している。

関係者によると、中小規模の劇場の70％近くが支援を必要としており、破産もしくは閉鎖の危機に直面しているという。

AMCエンターテイメントのアダム・アロンCEOはABCニュースの取材に対し、「我々は各スタジオや関係者たちが映画館を必要と感じた時にすぐ行動できるよう、営業を続ける」と述べた。

アロン氏によると、AMCはホームビデオオンデマンドの収益をユニバーサル・ピクチャーズと共有する予定だという。

10億ドル規模の興行収入を見込まれていたクリストファー・ノーラン監督の「テネット（原題：TENET）」はコロナウイルスに屈し、世界興収は3億ドル（北米：4,510万ドル）にとどまっている。
・「007／ノー・タイム・トゥ・ダイ」公開日を2021年4月に延期
・映画ブラック・ウィドウの公開を2021年まで延期
・北米映画市場は驚異的な縮小から抜け出せず

（ノーラン監督作品の世界興収）
・ダークナイト(2008年)　10億ドル
・インセプション(2010年)　8.2億ドル
・ダークナイト ライジング(2012年)　10.8億ドル
・インターステラー(2014年)　6.7億ドル
・ダンケルク(2017年)　5.2億ドル
・テネット(2020年)　3億ドル

【2020年公開予定の作品（抜粋）】

【2021年公開予定の作品（抜粋）】

【2022年公開予定の作品（抜粋）】

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』US予告1 近日公開