ブラジルのパンデミックは、今後数週間でさらに加速すると予想されている

ブラジル厚生省によると、12日の24時間で新たに881人の死亡を確認。総死者数は12,400人を超えた。

同国は南アメリカで最も深刻な被害を受けており、その規模は欧州に迫る勢いである。主要国の感染状況は3月4月に比べると落ち着きつつあり、ドイツやニュージーランドを筆頭にロックダウンの緩和、解除が進められている。しかし、ブラジルやロシア、その他の一部地域の沈静化は全く見通せない状況だ。

サンパウロ大学医学部のドミンゴ・アルベス氏はAFP通信の取材に対し、「PCR検査が圧倒的に不足しており、実際の数字(感染者数と死者数)は公式発表よりはるかに高いかもしれない。政府は病院に入院する人のみ検査を行っている」と述べた。

アルベス氏は、実際の感染者数を公式の約15倍と推定している。「入手したデータだけで国の感染状況を把握することはできない。政府も同様である。ここまで感染が無秩序に広まれば、管理することは不可能だと思う」

当局によると、国内で確認された陽性患者は12日時点で177,589人。同日の24時間で9,000人以上増加し、約17万人のドイツを追い抜いた。

世界保健機関(WHO)は、西半球のパンデミックの中心はアメリカとブラジルになったと述べ、さらなる感染拡大および貧困地域の環境悪化を懸念している。

ブラジルのパンデミックは今後数週間でさらに加速すると予想されており、コロナウイルスが医療システムを圧倒する恐れがあるという。しかし、この状況に対しボルソナロ大統領は、各州および市で実行されているロックダウンを否定。さらに、SNSやメディアを通じ、州知事や市長を批判した。

今週初め、大統領はジム、美容院、飲食店、バーなどのビジネスを「必須サービス」に分類し、ロックダウンの対象外にする法令を発表した。この法令を少なくとも10人の州知事が拒否、誤った命令には従わないと怒りをあらわにした。

これに対し大統領は、「連邦政府の法令を拒否する州知事および市長は、法廷で裁かれるだろう」とSNSに投稿した。

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ボルソナロ大統領

ブラジルの感染状況は日々、メディアを通じて国内に発信されている。国民は感染の終息、元の生活に戻ることを願っているが、ロックダウン開始後も事態は一向に改善されず、それどころか悪化し続けている。

同国は、コロナウイルスの抑制に必要な措置を否定し、現在も行っていない。全世界で共有されるべきガイドラインを無視し、混乱をまき散らすボルソナロ大統領が原因であることは、誰の目にも明らかである。

先週末、大統領は別荘でゆったり休暇をとり、ジェットスキーとバーベキューを心行くまで満喫、多くの批判を浴びた。これに対し大統領は、「息抜きは大切なことだ。私は素晴らしい仕事をしている。皆も仕事をしたら休暇をとるだろう」とコメントした。

指揮官の行動を見た国民の多くがロックダウン措置を軽視、パンデミックの中心にある首都サンパウロですら、州知事の指示はことごとく無視されている。

サンパウロ全土に外出禁止措置が発動されているにも関わらず、自宅にとどまっている人は全体の50%以下だという。慢性的な交通渋滞が発生している街の現状を見れば、ロックダウンが名ばかりの措置になっていることは明らかだ。

サンパウロ当局は現在の措置を強化すべく、道路の遮断を実行した。さらに、感染の深刻な北東部の州では、より厳格なロックダウン措置がとられている。

国民は目の前に迫りつつあるウイルスの脅威と死を無視しているわけではない。車で不衛生な職場に向かう者たちも、可能であれば自宅にとどまりたいと考えているはずだ。しかし、無策な大統領に生活の保障を訴えても、時間の無駄だと皆理解している。

結果、彼らは日々の食料を確保する、生き残るために働き、感染し、そして死ぬ。同国の科学者たちは、2月初めに催されたカーニバルでコロナウイルスが国中に拡散されたと指摘している。

【世界の現状】
●アメリカ、アンソニー・ファウチ氏はロックダウンの早急な緩和および解除がさらなる危機を招くと警告。また、同国内で報告されている死者数(13日時点:82,000人)は、過少報告(関連死等を含めていない)されていると述べた

●ロシアの感染者数が240,000人を突破。1日当たりの増加数は約10,000人以上。

●EU幹部、欧州の観光産業を復活させるために、国境の封鎖を段階的に解除すべきと提案した。

●インド、ロックダウンに伴う経済対策として、20兆ルピー(約28兆円)の救済支援策を発表。

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