◎日産自動車の元最高執行責任者(COO)、志賀 俊之氏は証言の中で、ゴーン容疑者に報酬を正しく開示するよう要求しなかったことを後悔していると語った。
ブルームバーグ/日本、カルロス・ゴーン容疑者

1月12日、日産自動車の元最高執行責任者(COO)の志賀 俊之氏は法廷で、レバノンに逃亡したカルロス・ゴーン容疑者の報酬過少報告を残念に思ったと述べた。

この日、ゴーン容疑者と共に起訴されたグレッグ・ケリー被告の公判で証言した志賀氏は、「カルロス・ゴーンは世界クラスのビジネスリーダー兼CEOであり、他の企業を率いるという話も聞いている」と述べた。

ケリー被告(元副社長)はゴーン容疑者の報酬を数年間で約90億円過少報告した金融商品取引法違反の罪に問われている。

ケリー被告とゴーン容疑者は2018年11月に逮捕されたが、ゴーン容疑者は保釈中の2019年に国外に逃亡し、現在はレバノン国内に潜伏していると伝えられている

志賀氏はゴーン容疑者が年間25億円の報酬を受け取っていたと指摘したうえで、「その全額を正しく報告していなかったことを残念に思った」と述べた。

志賀 俊之氏:
ゴーン氏は給与の報告に監査人が異議を唱えないよう圧力をかけていました。日産のガバナンスには大きな問題がありました」

志賀氏は、ゴーン容疑者に報酬を正しく開示するよう要求しなかったことを後悔していると語った。

志賀 俊之氏:
「なぜ、いいえ(ダメだ)と言えなかったのか。言えなかったことを深く後悔しています」

「それは私の人生に苦い味を残しました。記憶は薄れてきましたが、苦味は消えません」

志賀氏は2005年に日産自動車のCOOに就任した。(2013年に会長に就任、2019年退職)

一方、逃亡者ゴーンは1999年に日産自動車のアライアンスパートナーであるルノー(フランス)が派遣し、当時問題を抱えていた日産およびメーカーの経営を好転させた。

フランス、レバノン、ブラジルの市民権を持つゴーン容疑者は日産自動車を20年間率いてきた。

レバノンは日本と引き渡し条約を結んでおらず、手続きは難航している。

ケリー被告の公判は数カ月続くと伝えられている。

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