◎バルバドスは1966年11月30日にイギリスから独立し、英連邦王国に加盟した。
2021年11月30日/バルバドス、首都ブリッジタウンのヒーローズスクエア、チャールズ皇太子(中央)とミア・モトリー首相(右)(Jeff J Mitchell/PAメディア/AP通信)

11月30日、中米カリブ海のバルバドスはイギリスのエリザベス2世に別れを告げ、共和制に移行した。

バルバドスは1966年11月30日にイギリスから独立し、英連邦王国に加盟した。

共和制への移行を祝う式典にはチャールズ皇太子、バルバドスの国民的英雄である歌手のリアーナ氏、隣国の指導者、芸術家などが出席した。

バルバドスのミア・モトリー首相は立憲君主制に別れを告げる演説で、国民に「幸せな独立記念日を祝いましょう」と呼びかけた。

バルバドス総督のサンドラ・メイソン氏は30日の夜明け前に宣誓し、初代大統領に就任した。

メイソン大統領はベネズエラ、コロンビア、チリ、ブラジルの大使を務めた弁護士兼裁判官であり、モトリー政権のサポートと外交を担当する。

メイソン大統領は宣誓後の演説で、「バルバドス共和国は処女航海に出航しました」と語った。「私たちはすべての嵐を乗り切り、バルバドスの国民を水平線の向こうにある安全な土地に導きます...」

議会は昨年、「バルバドス共和国計画」を発表したが、11月30日以降も英連邦王国への加盟を維持する。ガイアナ、ドミニカ、トリニダード・トバゴは共和制への移行に合わせて王国から離脱した。移行後も加盟を維持する国はバルバドスが初めて。

一方、チャールズ皇太子は演説の中で、「カリブ海の島々に対する奴隷制が多くの残虐な行為をもたらした」と述べた。バルバドスの奴隷制は1834年に廃止された。

首都ブリッジタウンのヒーローズスクエアに集まった人々は英国旗に最後の敬礼を行い、降納を見届けた。

ボリス・ジョンソン首相は声明で、「バルバドスとイギリスはこれからも民主国家として共に歩み続ける」と述べ、移行を祝福した。

モトリー首相は式典の中でメイソン大統領に宣誓し、国民のために全力を尽くすと誓った。その後、モトリー首相はバルバドス出身のリアーナ氏に国民的英雄の称号を授与すると発表した。リアーナ氏は2018年から同国の名誉文化大使を務めている。

モトリー首相はリアーナ氏のヒットソングのひとつを引用し、「あなたはダイヤモンドのように輝き続け、バルバドスに名誉をもたらします」と称賛した。

エリザベス2世は30日、「バルバドスの歴史的な瞬間を祝福し、両国の継続的な友情を楽しみにしている」と声明を発表した。

バルバドスの地元メディアによると、国旗、紋章、国歌は変更されないが、一部の政府機関と施設の名称が変更されるという。記事によると、「ロイヤル・バルバドス警察」は「バルバドス警察」に、「クラウンランド(英国の土地)」は「国有地」に変更される。

バルバドスは中南米で最も議会制民主主義が定着し、最も繁栄した国のひとつである。人口は約28.5万人。1人あたりの名目GDP(2020年IMF)は約15,000ドル。

2021年11月30日/バルバドス、首都ブリッジタウンのヒーローズスクエア、バルバドス出身のリアーナ氏(Jeff J Mitchell/PAメディア/AP通信)
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