◎EUはルカシェンコ大統領がポーランドに意図的に移民を送り込んでいると非難しているが、ルカシェンコ大統領はこの主張を却下している。
2021年11月22日/ベラルーシとポーランドの国境近くにある工場(Maxim Guchek/BelTA/AP通信)

11月22日、ベラルーシの独裁者アレクサンドル・ルカシェンコ大統領はポーランドの国境沿いで進行中の移民危機について、EUは問題の解決に向けた協議を拒否したと批判した。

ルカシェンコ大統領は閣議の中で、国境付近で立ち往生している移民希望者約2,000人を受け入れるようドイツに促し、EU当局は交渉の申し出を拒否したと主張した。「ドイツ人は国境近くの森で凍えている子供たちを連れて行かなければなりません。私はEUの返答を待っています。しかし、彼らはお腹を空かせている子供の受け入れを却下し、私の要求を踏みつけました...」

EUのピーター・スタノ報道官は22日、「当局はベラルーシの担当者と一連の問題について連絡を取り合っている」と強調し、国境付近で立ち往生している人々の本国送還を支援する方法などについてベラルーシと協議する可能性があると述べた。

EUはルカシェンコ大統領がポーランドに意図的に移民を送り込んでいると非難しているが、ルカシェンコ大統領はこの主張を却下している。

ドイツのハイコ・マース外相は22日、ルカシェンコ大統領の声明と移民を意図的に隣国に送り込む「ハイブリッド攻撃」をあらためて非難した。

ポーランドは国境警備を15,000人体制に増強して不正入国を厳しく取り締まり、かみそりワイヤー付き高強度フェンスの建設工事を進めている。

米国と欧州に拠点を置く人道組織の国際救済委員会(IRC)によると、これまでに国境付近で少なくとも13人の移民希望者が死亡したという。IRCと主要なカトリック団体は移民希望者への人道物資提供と庇護を求めている。

一方、ルカシェンコ大統領はポーランドの対応を非難したうえで、「移民希望者たちはドイツの親戚と再会することを望んでいる」と主張した。「彼らは自分の意思でベラルーシに入国し、EUに庇護申請を提出しました。私は対立を望んでいません。私は不幸な移民希望者を守るためにできる限りのことをしています...」

ポーランドの国境警備隊によると、21日だけで不正入国を300回以上取り締まったという。担当者は記者団に、「その多くがかみそりワイヤーフェンスを破壊し、不正入国を試みた」と述べ、「一部の攻撃的な暴徒はレーザーポインタを使って国境警備当局者を攻撃している」と非難した。

ポーランドの国境警備隊はこれまでに約1,900人の移民希望者を保護している。現地メディアによると、そのうち1,200人以上がイラク人で、約700人がEUにとどまるために国際保護を申請したという。

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