◎エルサルバドルは今年9月、世界で初めてビットコインを法定通貨に採用した。
11月20日、エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領は太平洋に面する火山の麓に「ビットコインシティ」を建設すると発表した。
ブケレ大統領はサンタ・マリア・ミサタで開催されたビットコイン関連の集会で計画を発表し、多くのビットコイン愛好家から称賛を浴びた。
主要メディアによると、ビットコインシティはコインの形を表す円形状になり、首都サンサルバドルの東に位置するラ・ウニオンに建設される予定だという。
エルサルバドルは今年9月、世界で初めてビットコインを法定通貨に採用した。
帽子後ろかぶりスタイルで登場したブケレ大統領は聴衆に、「ビットコインシティに所得税、財産税、地方自治体税、温室効果ガスを排出する電源はありません」と語った。「都市の電源はコンチャグア火山の地熱エネルギーを利用します。市内に所得税はなく、付加価値税(VAT)のみ課される予定です...」
VATは物やサービスの購買時に課される間接税。(日本の消費税のようなもの)
ラッパースタイルのブケレ大統領は騒々しい聴衆に、「この都市にはすべてがある」と語り、称賛を浴びた。「住宅、商業施設、サービス、美術館、エンターテインメント、バー、レストラン、空港、港、鉄道...すべてがビットコインで造られ、ビットコインに捧げられます」
主要メディアによると、債券の募集は2022年にビットコインで受け付け、資金調達が完了次第、開発を開始する予定だという。
都市はラ・ウニオンの南東部に位置するコンチャグア火山の麓に建設され、地熱で得られる電力は市内の施設とビットコイン取引に利用される。
ビットコインを含む暗号資産は売買取引情報などをオンライン上の仮想台帳に記録しており、この運用には膨大な情報を処理するコンピューター、費用、そして膨大な電力が必要。政府は別の都市で地熱発電を利用するビットコイン取引所建設プロジェクトを開始している。
ブケレ大統領は、「都市の運用で得られる収入の半分は開発、残りは都市をきれいに保つために利用されるだろう」と述べた。また、公共インフラを含む都市開発には約30万ビットコインの費用がかかると見積もっていると明らかにした。
1ビットコインの取引価格は20日時点で約60,000万ドル(約680万円)。30万ビットコイン=約2兆円
エルサルバドルの企業や個人事業主は9月7日に施行したビットコイン法に基づき、もうひとつの法定通貨である米ドルと同じようにビットコインでの支払いを受け入れることが義務化された。
ブケレ大統領は「都市に投資して、お金を手に入れましょう」と語った。
エルサルバドルは中米で最も貧しい国のひとつであり、2020年の名目GDPは前年から約10%縮小した。
ビットコインの法定通貨採用に抗議するデモ