◎トゥーンベリ氏は市内の中央駅で数千人の気候活動家、警察、メディアに取り囲まれ、もみくちゃにされた。
10月30日、世界一有名な気候活動家のグレタ・トゥーンベリ氏がスコットランドの最大都市グラスゴーに到着し、数千人の気候活動家、警察、メディアに暖かく迎えられた。
現地メディアによると、トゥーンベリ氏は市内の中央駅で取り囲まれ、もみくちゃにされたという。
気候活動家たちは31日に開幕するグラスゴーCOP26(第26回国連気候変動枠組条約締約国会議)に先立ち、市内を行進した。この行進はサミットの期間中に計画されている抗議デモのオープニングセレモニーと見なされている。
市民運動エクスティンクション・レベリオンの活動家数百人は、トゥーンベリ氏のボディガード兼デモの番人を務める予定と伝えられている。
グラスゴーの聖メアリー大聖堂はイギリスの気候変動犠牲者および、気候変動に注意を払わなければならないという警告を込めて18時に鐘を鳴らした。
ロイター通信の取材に応じた自称クリスチャン気候ネットワーク活動家は、「コーンウォールからグラスゴーまで歩いた」と述べた。コーンウォールとグラスゴー間の距離は800km以上。
正義と平和の巡礼という組織は、ポーランド、スウェーデン、ドイツを経由してグラスゴーに到着したと伝えられている。
グラスゴーを拠点とする芸術家のゾーイ・ウォーカー氏とニール・ブロムウィッチ氏は全長約30mの彫刻作品を行進会場近くに設置し、気候活動家と巡礼者たちを歓迎した。
グラスゴーで活動する気候活動家グループはツイッターに、「スコットランドはCOP26の首脳に抗議する活動家と巡礼者を歓迎します」と投稿した。
Delegates representing the voice of indigenous leaders at COP26 were welcomed to Glasgow by First Minister @NicolaSturgeon today.
— First Minister (@ScotGovFM) October 30, 2021
Minga Indigena is a collective of groups, organisations and communities from indigenous nations throughout North and South America. pic.twitter.com/nGmEuMTqLa
スコットランドのニコラ・スタージョン首相は30日、北米と南米の先住民族グループを歓迎した。
保守的なボリス・ジョンソン英首相と対立する左寄りなスタージョン首相は、「スコットランドはCOP26の席を与えられていないが、私たちは彼らの活動を助けるだろう」とツイートした。
現地メディアによると、グラスゴーの宿泊施設は予約困難な状況で、多くの活動家と組織がデモへの参加を断念したという。COP26の期間中(10月31日~11月12日)にグラスゴー入りする活動家は約30,000人と伝えられており、デモの主催者は宿泊施設の確保に奔走している。
一方、スコットランド警察は先日の記者会見で、「警察の許可を得たデモを妨害する行為には迅速かつ強力に対応する」と述べ、極右組織をけん制した。警察によると、COP26の期間中、イングランドや他の地域から警察官約7,000人が応援部隊として派遣されるという。
COP26の会場周辺でも多くの活動家がデモを行い、ある海洋グループは海上の入り口近くに漁業で使う網にプラスチックゴミや人形を絡ませた「作品」を展示した。
海洋活動家のアンドリュー・ダーントン氏はBBCニュースのインタビューの中で、「グラスゴーの人々に暖かく迎えられた」と語った。「私たちは早めにグラスゴー入りし、会場近くに作品を展示しました...」
COP26は温室効果ガスの純排出ゼロと地球の気温上昇を産業革命以前の平均気温プラス1.5℃に維持することを目標としており、主催者のジョンソン英首相は参加国により野心的な気候変動対策を設定および実行するよう促す予定。
<COP26の主要原則>
・温室効果ガス純排出ゼロに向けた持続可能な復興の推進
・野心的で実行可能な気候変動対策(ロードマップ)の策定
・情報共有によるトランジションの促進
・温室効果ガス純排出ゼロ達成に向けた各産業ごとの脱炭素化とイノベーションの加速
・官民による投資促進
・人々を中心とするトランジションの支援
・新たなエネルギーシステムにおけるエネルギー安全保障の確立