◎ウクライナはファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、中国のシノバックワクチンの緊急使用を許可しているが、少なくとも1回接種した人は人口の約20%、接種を終えた人は約15%にとどまっている。
10月23日、ロシアの現地メディアによると、国内のコロナウイルス陽性者と死亡者は再び過去最多を更新したという。23日の新規陽性者は37,678件、死亡者は1,075人。
新規陽性者数はここ1カ月で約70%、死亡者数は約30%増加し、首都モスクワを含む主要都市の医療機関はコロナ患者で埋め尽くされた。
ロシアは昨年、自国産ワクチン「スプートニクV」の展開を開始したが、接種率は低迷しており、接種を終えた人は人口の3分の1に届いていない。
ウラジーミル・プーチン大統領は先日、10月30日から11月7日まで仕事を休むよう国民に命じた。しかし、地元メディアによると、プーチン大統領の声明後、黒海のリゾート地向けの航空便とツアーの予約が急増し、新たな懸念を引き起こしたという。
休業命令はオフィスや公共交通機関から市民を遠ざけ、感染拡大を抑えると期待されている。しかし、首都モスクワやその他の主要都市の公共交通機関、商業施設、レストラン、カフェ、バー、劇場、ジムなどは現在も通常営業を続けており、感染拡大に寄与し続けている。
一方、2014年のクリミア併合以来ロシアと激しく対立しているウクライナの感染状況も悪化の一途をたどっており、22日には2日連続で陽性者と死亡者の記録を塗り替えた。22日の新規陽性者数は23,785件、死亡者は614人。
首都キエフの学校は22日から2週間閉鎖されることが決まり、感染者数の多いその他の都市でも同様の制限が講じられた。
ウクライナはファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、中国のシノバックワクチンの緊急使用を許可しているが、少なくとも1回接種した人は人口の約20%、接種を終えた人は約15%にとどまっている。
政府は感染再拡大を受け、21日から制限を再び強化し、国内の飛行機、公共交通機関、バスを利用する際のワクチン接種証明の提示を義務付けた。
首都キエフの西300kmに位置するリウネ州の市立病院ではコロナ患者の急増を受け、緊急性の低い手術の延期を決めた。
廊下に設置された応急ベッドの上で治療を受けた60代の女性はAP通信の取材に対し、「ワクチンを接種すべきだった」と語った。「私はワクチンを信用していませんでした。その結果がこれです。ワクチンを接種すべきでした」
医師のタチアナ・パシチュニク氏は、「ベッドの占有率は150%を超え、医療用酸素が足りない」と窮状を訴えた。「廊下と待合室の応急ベッドもすでに満杯の状態です...」
報道によると、ウクライナでは今月中頃から偽のワクチン接種証明書が闇市場で取引されていると伝えられており、当局と市民の不安を煽っている。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は今週初め、違法行為の取り締まり強化に関する会議を主催した。
内務省によると、偽の証明書に関連する事件や申し出を少なくとも800件確認したという。同省は偽造に関与した個人もしくは組織を追跡する特別チームを設置した。
また政府は先日、全国にある15の病院の職員がワクチン接種証明書の偽造に関与した疑いがあると発表した。地元メディアによると、元議会議員のナディヤ・サウチェンコ氏は海外からウクライナに戻るにあたり、偽のワクチン接種証明書を提示したという。
政府は医療機関だけでなくショッピングモールなどの商業施設にもワクチン接種サイトを設置し、接種率の向上を目指している。