◎現職の欧州議会議員であり、カタルーニャ自治州の元州首相でもあるカルラス・プッチダモン氏は、スペインに移送されるかどうかを決める公聴会に出席する予定。
2021年9月25日/イタリア、サルデーニャ島アルゲーロ、欧州議会のカルラス・プッチダモン議員(Getty Images/AFP通信)

スペインの現地メディアによると、現職の欧州議会議員であり、カタルーニャ自治州の元州首相でもあるカルラス・プッチダモン氏は、スペインに移送されるかどうかを決める公聴会に出席する予定だという。

プッチダモン議員はカタルーニャで州首相を務めていた2017年に独立の是非を問う違法な住民投票を主催したが、悲願を達成することはできず、その後逃亡先のドイツで反乱と公金横領の罪で逮捕された。しかし、ドイツの裁判所はドイツの国内法に基づきプッチダモン議員を不起訴処分とした。ベルギーで逮捕されたカタルーニャの元高官らも不起訴処分になっている。

プッチダモン議員は先日、イタリアのサルデーニャ島の分離独立派集会に出席するために現地入りしたが、渡島後すぐ逮捕され、48時間後に釈放された。

サルデーニャ島の裁判所はプッチダモン議員の釈放を認め、渡航禁止令も科さなかった。しかし、プッチダモン議員は釈放時の会見で、10月4日に行われるスペインへの身柄引き渡しを審理する公聴会に出席すると約束した。

プッチダモン議員は記者団に対し、「私はあらゆる質問に答える」と語った。「イタリアの裁判所がOKを出せば、スペインの仕事は終了です。私はベルギーに戻ります...」

スペイン当局はプッチダモン議員の身柄引き渡しを求めているが、2019年に懲役9年~13年の実刑判決を受け服役していたカタルーニャの元高官たちは今年7月に恩赦を与えられ、釈放されている。ペドロ・サンチェス首相は赦免を擁護したが、野党は「政府はカタルーニャ派閥の支持を得るために恩赦を与えた」と非難した。

サンチェス首相は先日、カタルーニャ自治州のペレ・アラゴネス州首相と会談し、独立問題の解決に向けた交渉を約1年半ぶりに再開した。

一方、プッチダモン議員はカタルーニャの民主主義と大義を宣伝するために欧州外遊を続けると誓い、「ヨーロッパの司法機関は先日の逮捕後、支援を提供してくれた」と語った。「ヨーロッパの司法は民主的な戦いの中で自由を求めたカタルーニャを支持し、民主主義、言論の自由、自己決定などの権利を擁護しました」

プッチダモン議員は2017年の違法な住民投票を擁護し、「カタルーニャ人は独立を求めたが、スペイン当局は私たちから権利を奪った」と主張した。

現地メディアによると、公聴会の争点はスペイン政府が2019年に発行した逮捕状が有効かどうかだという。プッチダモン議員の弁護士であるゴンサロ・ボイエ氏は先日、警察は2019年の逮捕状に基づき、議員を逮捕したと述べていた。

住民投票事件を処理したスペインの最高裁判所のパブロ・ラレナ判事はEUの刑事司法協力庁に、2019年の逮捕状は有効と書いた書簡を送ったと伝えられている。

ドイツの裁判所は身柄の引き渡しを拒否しており、イタリアの判決に注目が集まっている。

プッチダモン議員は欧州議会の議席を確保しているが、欧州議会は今年、プッチダモン議員の免責を剥奪した。現地メディアによると、プッチダモン議員は議会定例会に出席するために10月4日にフランスのストラスブールに移動する予定と伝えらえているが、公聴会が長引くようであれば、定例会にはオンラインで出席するという。

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