◎カルラス・プッチダモン氏はカタルーニャで州首相を務めていた2017年に独立の是非を問う「違法な」住民投票を決行し、大混乱を引き起こした。
イタリアの現地メディアによると、2017年にスペインのカタルーニャ自治州から逃亡した元指導者のカルラス・プッチダモン氏がイタリアのサルデーニャ島で逮捕されたという。
プッチダモン氏はカタルーニャで州首相を務めていた2017年に独立の是非を問う「違法な」住民投票を決行し、大混乱を引き起こした。
プッチダモン氏はベルギー在住。スペイン当局から逮捕状が出ている状態で2019年の欧州議会選挙に立候補し、見事初当選を果たした。スペイン政府は立候補を認めない方針だったが、プッチダモン氏の異議申し立てをスペインの最高裁判所が認めたため、立候補が許可された。
プッチダモン議員の弁護士であるゴンサロ・ボイエ氏によると、議員はサルデーニャ島で今週末開催されるイベントに出席する予定だったという。ボイエ弁護士は声明の中で、「プッチダモン議員は島に到着後まもなく逮捕された」と述べた。
地元メディアによると、警察は容疑を含む逮捕に関する情報を明らかにしていないという。ボイエ弁護士はツイッターに、「当局は2019年に発行された逮捕状に基づき欧州議会の議員を拘留した」とツイートした。
プッチダモン議員は2018年に事実上の亡命先であるドイツで逮捕され、反乱と公金横領の罪に問われた。しかし、ドイツの裁判所はドイツの国内法に基づきプッチダモン議員を不起訴処分とした。ベルギーで逮捕されたカタルーニャ自治州の元高官らも不起訴処分になっている。
サルデーニャ島の地元メディアは、「プッチダモン議員は港湾都市アルゲーロで26日に開催されるイベントに出席する予定だった」と報じた。また、一部のメディアによると、プッチダモン議員はサルデーニャ自治州の分離独立派グループに出席を依頼されたという。
プッチダモン議員の事務所は23日の声明で、「議員はアルゲーロの民間伝承祭に出席する予定だったが、イタリアの警察当局に拘留された」と述べた。事務所によると、議員は24日に裁判所に出頭する予定だという。
スペインの裁判所は2017年のカタルーニャ独立住民投票を違法と認め、プッチダモン議員と他の分離主義者たちはベルギーに逃亡した。
9人の分離主義者は2019年に懲役9年~13年の実刑判決を受け服役したが、今年7月に恩赦を与えられ、釈放された。