◎スペインのペドロ・サンチェス首相はカタルーニャ自治州のペレ・アラゴネス州首相とバルセロナで会談し、同州の離脱問題の解決に向けた交渉を約1年半ぶりに再開した。
2021年9月15日/スペイン、バルセロナの州政府庁舎、ペドロ・サンチェス首相(左)とカタルーニャ自治州のペレ・アラゴネス州首相(Joan Mateu Parra/AP通信)

9月15日、スペインのペドロ・サンチェス首相はカタルーニャ自治州のペレ・アラゴネス州首相とバルセロナで会談し、同州の離脱問題の解決に向けた交渉を約1年半ぶりに再開した。

サンチェス首相は記者団に対し、「会談は政府とカタルーニャの関係を修復するうえで非常に重要だが、離脱問題を迅速に解決することはできない」と述べた。

一方、アラゴネス州首相は、カタルーニャの独立の是非を問う国民投票の実施を認め、今年6月に恩赦を与えられた元州指導部に公職に就く権利を与えるよう求めたが、サンチェス首相はスペインの経済的および社会的幸福を改善するために話し合わなければならないという従来の主張を繰り返した。

2019年、カタルーニャのオリオル・ジュンケラス元副州首相を含む州の閣僚、議会議長、市民社会グループの指導者2人は、2017年に違法な住民投票を主導した罪で懲役9年~13年の実刑判決を受けたが、今年6月に恩赦を与えられ、釈放された。

裕福なカタルーニャの独立をめぐる緊張は、スペインの景気後退による経済的困難と当時の保守的な政府の自治権の拡大に対する不満を受け、約10年前に本格的に高まった。

アラゴネス州首相は共同記者会見の中で、「信頼関係を築く時が来ました」と述べた。「両政府は本日、紛争の解決に向けた交渉を再開しました。カタルーニャの意志を示す時が来たのです...」

アラゴネス州首相とカタルーニャ共和主義左翼党は今回の会談を「歴史を築く第一歩」と表現した。しかし、同党を含む主要政党の幹部は会談に出席せず、交渉の先行きには不透明感が漂っている。

独立を強く支持する他の党は会談を茶番と呼び、大義を狂わせるだけだと非難した。

過去5年間の世論調査と選挙結果は、カタルーニャの住民約750万人の半分がスペインに留まることを望み、残り半分は独立を望んでいることを示している。

サンチェス首相は今年6月、2019年の裁判で実刑判決を受けた元州指導者や関係者に恩赦を与え、議会の非難に直面した。議会の指導部は違法な住民投票を推進した者たちを分離主義者と呼んでいる。

サンチェス首相は昨年2月、首都マドリードでアラゴネス州首相の前任者であるキム・トーラ氏と初めて会談し、月に一度協議を行うことで合意したが、数週間後にスペインを襲ったコロナウイルスの影響で以降の交渉は保留されていた。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク