◎金正恩 党総書記は9日の0時ちょうどに登場し、パフォーマーや観客から万雷の拍手を浴びた。
9月9日、北朝鮮建国73周年を祝う軍事パレードに出席した金正恩 党総書記は、グレーのスーツに光沢のある白いネクタイを合わせたスタイリッシュかつエネルギッシュな姿を披露した。
韓国の主要メディアによると、8日遅くに始まった軍事パレードには赤いガスマスクと赤い防護服を着た兵士たちも登場し、政府高官を沸かせたという。
専門家やアナリストはこの化学部隊について、「コロナウイルスの感染拡大を抑えるために創設された可能性がある」と述べたが、詳細は不明。
金正恩は9日の0時ちょうどに登場し、パフォーマーや観客から万雷の拍手を浴びた。
スタイリッシュな金正恩は満面の笑顔を浮かべ、群衆に手を振り、花束を準備していた子供にキスをし、バルコニーから軍事パレードを視察した。国営メディアによると、金正恩は政府高官と笑顔で話し、兵士たちを何度も称賛したという。
専門家やアナリストは金正恩のダイエット成功に疑問を呈している。ある専門家は重病説を唱え、別の専門家は食糧危機が悪化していることを国民に真剣に訴えるために頑張って痩せたと主張した。
北朝鮮の経済はアメリカ主導の厳しい制裁、昨年の台風災害、コロナウイルス危機の影響で深刻なダメージを受けており、国民は1990年代に発生した大飢饉に匹敵する飢餓に直面する可能性があると指摘されている。
1994年から1998年の間に発生した大飢饉では200万~350万人(推定)が餓死もしくは栄養不足に関連する病で亡くなったと推定されている。
現在の金正恩は、2018年に韓国の文在寅 大統領と一緒にウォーキングした時とは明らかに異なっている。文在寅 大統領は苦も無く白頭山の緩やかな上り坂をのぼったが、金正恩は息を切らしていた。
ソウルの梨花女子大学のパク・ウォンゴン教授はAP通信の取材に対し、「金正恩の顔は明らかに小さくなり、エネルギッシュになった」と語った。
金正恩のやせ細った姿は、今年6月に開催された朝鮮労働党大会の中で最初に確認された。
韓国の専門家は、「10kg~20kgは痩せたように見える」と推定していた。金正恩の身長は約170cm、痩せる前の体重は約140kgと推定されている。
一部の専門家は、金正恩の減量は国の政策を反映している可能性があると指摘している。
金正恩は大飢饉につながりかねない深刻な食糧不足に悩まされており、父の跡を継いで以来、最大の試練に直面している。
ある専門家は、「金正恩は北朝鮮を国難から脱却させることができる若くて健康な指導者、というイメージを構築したいと考えている可能性がある」とソーシャルメディアに投稿した。
一方、ソウルの北朝鮮大学のヤン・モージン教授は9日、「金正恩は軍事パレードで国民に痩せた姿を見せ、陽気に明るく振る舞うことで、国民に近い普通の政治家というイメージを投影しようとしている可能性が高い」と述べた。
またモージン教授は、「金正恩は3人の子供を持つ30代半ばの父親でもあり、健康に気を遣ってもおかしくはないと思う」と付け加えた。