◎韓国の統合参謀本部は9日、平壌で軍事パレードが開催された兆候を確認したと述べ、監視を継続していると明らかにした。
韓国の主要メディアによると、北朝鮮は9月8日遅くに首都平壌で軍事パレードを開催した可能性が高いという。
韓国の統合参謀本部は9日、平壌で軍事パレードが開催された兆候を確認したと述べ、監視を継続していると明らかにした。当局者によると、パレードはリハーサルではなく本番だった可能性が高いという。
この軍事パレードは北朝鮮建国73周年を祝うものと考えられているが、金正恩 党総書記が出席したかどうかは明らかにされている。
北朝鮮の国営メディアは軍事パレードに関する声明をまだ発表していない。国営メディアは昨年1月と10月の夜間に開催された軍事パレードのライブ映像を発信せず、数時間後に録画映像を公表した。
北朝鮮の経済はアメリカ主導の厳しい制裁、昨年の自然災害、コロナウイルス危機の影響で深刻なダメージを受けており、国民は1990年代に発生した大飢饉に匹敵する飢餓に直面する可能性があると指摘されている。
1994年から1998年の間に発生した大飢饉では200万~350万人(推定)が餓死もしくは栄養不足に関連する病で亡くなったと伝えられている。
北朝鮮は主要な記念日に軍事パレードを開催することで、世界に大陸間弾道ミサイルやその他の兵器を見せつけてきた。
金正恩は今年1月に開催された朝鮮労働党大会の中で、アメリカの敵意に対抗するために核兵器計画を加速させると誓い、潜水艦から発射できる新たなミサイルの開発を進めていると示唆した。
また金正恩は、ジョー・バイデン大統領の交渉の申し出を拒否し、「話し合いたいのであれば、まずはアメリカが敵対的な政策を放棄しなければならない」と主張した。バイデン大統領は北朝鮮が核計画の放棄を保証しなければ、制裁の緩和に向けた交渉には応じないと述べている。
北朝鮮はコロナウイルスを抑え込むことに成功したと主張しているが、対中貿易に深刻な影響を与えた厳しい国境封鎖が解除される見通しは立っておらず、金正恩は就任以来最大の危機に直面していると信じられている。
一方、アメリカとの外交関係は米韓合同軍事演習の継続を受け、さらに悪化した。金正恩の妹で北朝鮮のナンバー2と目されている金与正(キム・ヨジュン)は先月、「北朝鮮は先制攻撃能力をさらに強化するための取り組みを加速させる」と述べた。