◎首都カブールのハミド・カルザイ空港の近くで発生した自爆テロの死亡者は170人を超え、避難任務に従事していた米兵13人が犠牲になった。
2021年8月20日に投稿された写真/アフガニスタン、首都カブールのハミド・カルザイ国際空港近く、子供を抱く米軍のニコール・ジー軍曹(米国防総省/AP通信)

ジョー・バイデン大統領は28日、アフガニスタンの自爆テロを主導したイスラム国関連のジハード組織ISIS-K(イラクのイスラム国とレバント)に対する空爆を継続すると誓った。

首都カブールのハミド・カルザイ空港の近くで発生した自爆テロの死亡者は170人を超え、避難任務に従事していた米兵13人が犠牲になった。

バイデン大統領は演説の中で、「27日の空爆は最後ではない」と語った。「アメリカは凶悪な攻撃に関与した者を追い詰め、代償を支払わせます...」

国防総省によると、カブールの空港に残っている米兵は28日時点で4,000人を切り、31日の撤退に向けた任務を継続中だという。進行中の避難任務はISIS-Kの新たな攻撃の懸念が高まったことで急加速した。

バイデン大統領は、今後24〜36時間以内に新たな攻撃が発生する可能性が高いと現地の司令官から報告を受けたことを明らかにし、「空港の安全を確保し、避難任務にあたっている兵士を保護するためにあらゆる措置を講じるよう司令部に命じた」と述べた。

AP通信などによると、死亡した米兵13人の遺体はアフガンを離れ、デラウェア州のドーバー空軍基地に向かっているという。バイデン大統領はドーバー空軍基地で行われる式典に出席する可能性があると伝えられている。

一方、国防総省は犠牲者の氏名を公表した。13人のうち12人は20代、1人は30代だった。

<海軍>
・テイラーフーバー軍曹 31歳
・ジョハニー・ロザリオ・ピカルド軍曹 25歳
・ニコール・ジー軍曹 23歳
・ディーガン・ウィリアム・テイラー・ページ伍長 23歳
・ハンベルト・サンチェス伍長 22歳
・ハンター・ロペス伍長 22歳
・ライリー・マッカラム伍長 20歳
・カリーム・メイリー・グラント・ニコウイ伍長 20歳
・ジャレッド・シュミッツ伍長 20歳
・デビッド・リー・エスピノザ伍長 20歳
・マックストンソビアック衛生下士官 22歳

<陸軍>
・ライアン・ナウス軍曹 23歳

ニコール・ジー軍曹は亡くなる1週間前、空港近くで子供を抱く写真をインスタグラムに投稿し、「私は自分の仕事が大好きです」と書いていた。

バイデン大統領と西側諸国の指導者たちは避難任務を急いだが、数えきれないほどの自国民と脆弱なアフガンの人々がタリバン政権下のアフガニスタンに取り残されることがほぼ決まった。西側は8月31日以降もタリバンと協力して避難を希望する人々の移送に向けた取り組みを継続すると約束した。

一方、ISIS-Kを含む一部の過激なジハード組織は、西側を意識したタリバンの姿勢を非難しており、新たな自爆テロや攻撃を仕掛けてくる可能性がある。

国防総省は27日、パキスタンと国境を接する東部ナンガルハール州のISIS-Kをドローンで空爆し、自爆テロに関与したリーダー格2人を殺害したと発表した。2人の氏名と国籍は明らかにされていない。

ジョン・カービー報道官は記者団に対し、「敵は任務を計画し実行する能力を失っているが、テロの脅威が消えたとは言えない」と警告した。

またカービー報道官は、「アメリカには国境を越えるテロに対処する能力と手段があり、自国を守るために行動する」と述べ、27日のドローン空爆はペルシャ湾地域などに拠点を置く部隊が実施したと明らかにした。

国防総省は声明で、安全上の理由から、軍の要員や装備を含む撤退の最終段階における情報は公表しないと発表した。

2021年8月28日/ワシントンD.C.アイゼンハワー行政府ビルの南裁判所講堂、ジョー・バイデン大統領(マヌエル・バルセ・セネタ/AP通信)
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