◎ポーランドとバルト三国は23日の共同声明で、「ベラルーシは移民を使って近隣諸国を不安定化させようとしている」と述べ、アメリカに状況を調査するよう促した。
8月23日、ポーランド政府はベラルーシとの国境に沿ってフェンスを建設し、不法移民の入国を阻止すると発表した。また、国境沿いの村で2週間以上立ち往生している難民に人道支援を提供することも明らかにした。
ポーランドとバルト三国(ラトビア、リトアニア、エストニア)は、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領が隣国に向けて移民を送り込んでいると非難している。
EUは独裁国家のベラルーシに厳しい制裁を科しており、一連の移民派遣攻撃は制裁を支持した隣国に対する報復と考えられているが、ルカシェンコ大統領は関与を否定した。
ポーランドとバルト三国は23日の共同声明で、「ベラルーシは移民を使って近隣諸国を不安定化させようとしている」と述べ、アメリカに状況を調査するよう促した。「移民の違法な派遣は国際法に違反しており、EUはベラルーシの行為をハイブリッド攻撃と見なしています...」
ポーランドのマリューシュ・ブラスザック国防相は記者団に対し、先週からベラルーシとの国境に国軍の兵士を900人以上配備し、有刺鉄線付きフェンス(高さ2.5m)の建設を始めたことも明らかにした。「ポーランド政府はベラルーシの攻撃に対処します。敵は移民危機を引き起こそうとしています...」
ブラスザック国防相によると、今回建設するフェンスはハンガリーとセルビアの国境沿いに設置されたものを参考にしており、かみそりワイヤーコイルで補強されているという。
ブラスザック国防相はルカシェンコ大統領とロシアの関係を指摘し、「ポーランド経由でEUに移民を送り込むことは決して許されず、当局は受け入れを許可しないだろう」と述べた。
ポーランド政府は先週、8月だけで2,100人近くの移民がベラルーシから不法入国を試みたと発表していた。
一方、ポーランドとベラルーシの国境沿いで立ち往生している約30人の難民グループは別の緊張を引き起こしている。難民の保護活動を行っている団体によると、このグループはアフガニスタンから逃れた人々で医療を必要とする人が含まれているという。
ポーランド政府は、「難民はベラルーシの領土にいる」と主張しているが、一部のポーランド人はアフガニスタン難民を受け入れるべきと政府を批判し、混乱が広がっている。
ポーランドの外務省は23日の声明で、ベラルーシに外交文書を提出したと述べた。「立ち往生している難民にテント、ベッド、寝袋、毛布、パジャマ、食料、薬を提供することを申し出ました...」
パヴェウ・ヤブロンスキー外務副大臣は国境の状況について、「ベラルーシのハイブリッド戦争に対処するだけでなく、同様の脅迫に備え準備を進める必要がある」とツイートした。「ベラルーシはEUを脅迫し、制裁解除と支援を提供させるつもりです...」
首都ワルシャワの国境警備隊本部前では、有刺鉄線を身体に巻いた活動家約20人がアフガニスタン難民の受け入れを求め抗議した。