◎アフリカの後ろ盾を失ったアシュラフ・ガニー大統領はアフガン軍の最高司令官であるにもかかわらず真っ先に逃亡し、兵士の士気に甚大な影響を与えたと厳しく非難されている。
アフガニスタンの現地メディアによると、タリバンの侵攻に屈し逃亡したアシュラフ・ガニー大統領は、アラブ首長国連邦（UAE）に避難したという。
アフガン軍の最高司令官であるガニー大統領はタリバンの首都カブール侵攻を受け、国外に逃亡した。主要メディアは隣国タジキスタンまたはウズベキスタンに逃げ込んだ可能性が高いと報じていたが、UAEの外務省は18日の声明でガニー大統領とその家族を歓迎したと明らかにした。
ガニー大統領は18日遅くにフェイスブックに投稿した演説の中で逃亡を否定し、「巨大な災害を止めるために国を離れざるを得なかった」と述べた。「私はエミレーツ（アブダビ）にいます。現在、アフガニスタンに戻るための交渉を進めています。流血と混乱は止められます...」
ガニー大統領は多額の現金を持って逃亡したというロシア大使館の主張を却下し、「噂はデマであり、根拠がない」と反論した。首都カブールのロシア大使館は16日、AP通信のインタビューの中で、「ガニー大統領は4台の車と現金を詰め込んだヘリコプターを持って逃げ出した」と主張していた。
アフリカの後ろ盾を失ったガニー大統領はアフガン軍の最高司令官であるにもかかわらず真っ先に逃亡し、兵士の士気に甚大な影響を与えたと厳しく非難されている。
アフガニスタン国民和解評議会のアブドラ・アブドラ議長は15日、「ガニー大統領はこの困難な時期に国民を置き去りにして国を離れました」と怒りをあらわにしていた。「神は彼に責任を負わせるべきです...」
アメリカのジョー・バイデン大統領も16日の演説で、アフガニスタン政府の対応を非難した。そして18日、ウェンディ・シャーマン米国務副長官は記者団に、「ガニー氏はもはやアフガニスタンの人物ではない」と語った。
ただし、米国務省は「ガニー大統領からタリバンへの正式な権力の移譲はなかった」と主張しており、現在の権力の座は空席ではなく、あくまでガニー大統領のものと示唆した。
ガニー大統領は演説の中で、「セキュリティチームは私を大統領官邸から連れ出した」と述べた。「私はタリバンと包括的な交渉を進めたいと思っていました。しかし、敵は想像以上のスピードで首都カブールに侵攻しました...」
UAEが他国の指導者や政府高官を受け入れたのはこれが初めてではない。
パキスタン初の女性首相であるベーナズィール・ブットー元首相は1990年代にドバイで生活し、その後政権に復帰した。
世界トップクラスの石油埋蔵量を誇るUAEの人口は1,000万人に満たないが、国軍の戦力はアフガニスタンをはるかに上回っている。
