◎国葬の喪主を務めたマルティーヌ夫人の右腕にはまだ包帯が巻かれていた。夫人の怪我の程度は明らかにされていない。
7月21日、暗殺されたジョブネル・モイーズ大統領の国葬が首都ポルトープランスで営まれた。しかし、モイーズ大統領の故郷近くで暴力が再燃し、数百人が避難する騒ぎに発展したという。
AP通信は、モイーズ大統領の故郷である北部トル=デュ=ノールの西に位置するカルティエ=モランで、抗議に参加していた男性が何者かに射殺されたと報じた。
抗議者たちは2つの地区の間にバリケードを設置し、火を放った。
カルティエ=モランでは7月23日にモイーズ大統領を称える集会が開催される予定。抗議者の暴力に直面した地区の住民およびそこで働く労働者たちは徒歩で避難した。
AP通信の取材に応じた女性は、「抗議者たちは暗殺に関与した者をひとり残らず裁け、と叫んでいました」と語った。「彼らはタイヤを燃やし、武器を振り回し、正義を追求すると吠えていました。私は逃げます!」
トル=デュ=ノールの近くの工業地帯で働く男性は、「従業員を輸送するバスがバリケードの影響で立ち往生したため、徒歩での移動を余儀なくされた」と述べた。
モイーズ大統領は7月7日未明に首都ポルトープランスの自宅で暗殺され、妻のマルティーヌ夫人も重傷を負った。夫人は先週、米マイアミの病院を退院し、政府専用機で帰国した。
21日の抗議は大統領暗殺後初の暴力的なデモと伝えられている。クロード・ジョセフ暫定首相は先日、モイーズ大統領に新首相に指名されていたアリエル・ヘンリー氏の就任および暫定政府の形成に合意し、団結して秩序と安全を回復すると誓った。
国葬の喪主を務めたマルティーヌ夫人の右腕にはまだ包帯が巻かれていた。夫人の怪我の程度は明らかにされていない。
地元メディアによると、カルティエ=モランを含む北部の一部地域ではデモや暴力が複数報告されたが、首都ポルトープランスの治安は安定していたという。当局は政府庁舎および国葬会場周辺の警備体制を強化していた。
警察当局は先日、暗殺に関与したとされる元コロンビア兵18人と3人のハイチ警察官を含む少なくとも26人を拘留したと述べた。
また、レオン・チャールズ国家警察長官によると、暗殺に関与したとされる高位の現職警察官を少なくとも7人隔離しているが、逮捕はしていないという。
一方、コロンビア政府は21日、暗殺後に発生した銃撃戦の中で射殺されたコロンビア人の容疑者3人の遺体を本国に移送する手続きを開始すると発表した。
コロンビアの警察当局は先日、元ハイチ法務局のジョセフ・フェリックス・バディオ氏が暗殺を命じた可能性があると明らかにしたが、捜査の詳細は明らかにされていない。