◎香港特別行政区立法会(LegCo)の議席数は90議席に拡大され、そのうち40議席は建制派の選挙委員会によって選出されることになり、有権者の投票で選出される議員の数は以前の35人から20人に削減された。
5月27日、香港特別行政区立法会(LegCo)は、選挙法を改正する法案を賛成40ー反対2で可決した。これにより、有権者の直接投票の権利は大幅に削減され、共産党指導部の特色ある社会主義を支持する建政派の数が増えることがほぼ確定した。
今回成立した「選挙制度の改善(統合改正)法」は、国家安全保障部門に公職の候補者をチェックする権限を与え、候補者が「愛国的」であることを確認および承認する委員会の設立を許可し、「愛国的でない者」は選挙から除外できる。
また、香港立法会の議席数は90議席に拡大され、そのうち40議席は建制派の選挙委員会によって選出されることになり、有権者の投票で選出される議員の数は以前の35人から20人に削減された。
現在のLegCoの議員は主に建制派で構成されている。民主化を支持する議員たちは昨年、共産党指導部への忠誠が足りないという理由で追放された4人の処遇に抗議し、一斉に辞任した。
習近平 国家主席に忠誠を誓う議員たちは26日と27日の審議で法案を絶賛し、「法改正は香港に忠誠を誓わない者の立候補を阻止するだろう」と述べた。
専門家は、民主化推進派が一斉に議会を去ったことで、国民の生活に影響を与える法案が簡単に可決されていると指摘した。
香港最大の民主化派閥の議長、ロー・キンヘイ氏はAP通信の取材に対し、「失望している」と述べた。「政府は選挙制度を変更し、有権者の権利を奪いました。民主化推進派は立候補すら許可されない可能性があります」
キンヘイ氏は12月の議会選挙に立候補するかどうかはまだ分からないと述べた。
当局は昨年成立した国家安全維持法に基づき、2014年の抗議行動の学生リーダーとして知られる黄之鋒(こう しほう)氏や、アップルデイリー紙を創設したメディア王のジミー・ライ氏などの民主化支持者を逮捕、起訴した。ライ氏は先月、無許可の集会に参加した罪で懲役14カ月の実刑判決を受けた。
米アントニー・ブリンケン国務長官は27日、民主化を推進しただけで逮捕された全ての関係者に対する告発を取り下げるよう香港当局に求め、選挙法の改正を非難した。
中国の全国人民代表大会(NPC)3月に今回の法案を賛成2,895ー反対0(棄権1)で承認していた。