◎中国共産党は南部海南省の文昌衛星発射場から長征5号Bを打ち上げ、国内初の恒久的な宇宙ステーションのメインモジュールを軌道に乗せたと伝えられていた。モジュールの全長は30m、幅5m、重さ21トン。
米国防省によると、当局者は4月29日に中国の発射施設から打ち上げられたロケットを追跡しているが、正確な落下地点は直前まで分からないという。
落下は日本時間9日の昼過ぎと予測されている。
ペンタゴンのジョン・カービー報道官は5日の定例会見で、「現時点でロケット片の正確な落下地点を示すことはできない」と述べていた。「私たちはロケットを追跡していますが、その破片がどこに落ちるかは直前まで分かりません。破片の大半は大気圏で燃え尽きると考えられています」
中国共産党は南部海南省の文昌衛星発射場から長征5号Bを打ち上げ、国内初の恒久的な宇宙ステーションのメインモジュールを軌道に乗せたと伝えられていた。
アメリカ宇宙軍(USSF)は7日、長征5号Bの位置を認識したうえで追跡しているが、「大気圏への正確な進入点は突入する数時間前まで特定できない」と述べた。
連邦航空局(FAA)は北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)と連携し、「潜在的に影響を受ける全ての施設にリアルタイムで破片の状況を発信できる」と述べ、航空機への影響は懸念していないと強調した。「落下に関連する手続きや決定は関係当局とリアルタイムで行われます」
連邦政府、民間、および民間の顧客向けの技術分析と評価を行う非営利団体エアロスペースによると、現在の軌道傾斜角は、シカゴ、ニューヨーク、ローマ、北京などの広大なエリアのどこかに巨大な破片が落下する可能性を示しているという。「全長30m、幅5m、重さ21トンの巨大なメインモジュールはこれらのいずれかのエリアに落下する可能性があります」
通常、地球に帰還するロケットは、制御された状態で海に着水する。専門家はABCニュースの取材に対し、「長征5号Bの帰還が制御されたものかどうかは中国にしか分からない」と述べた。
航空宇宙の大気圏再突入および破片研究センターのテッド・ムエルハウプト主任所長はABCニュースのインタビューの中で、「宇宙では想定外のことが普通に発生する」と述べた。「関係者は、長征5号Bはトラブルに見舞われ、制御を失ったと信じています...」
「破片を止めることはできないため、最新情報をリアルタイムで発信することが重要です。居住エリアに落ちる可能性があると分かった時点で、速やかに警告を発しなければならないでしょう」
一方、中国の宇宙機関は、長征5号Bのメインモジュールの落下が制御されたものかどうかについては明らかにしていない。昨年5月、制御不能状態に陥った中国のロケット片は大西洋(西アフリカ沖)に落下した。
共産党の機関紙、環球時報は、メインモジュールのアルミニウム合金の外装は大気中で容易に燃え尽き、地表に到達する可能性は極めて低いと報じた。
AP通信によると、昨年5月に共産党が落とした18トンのロケット片は、旧ソビエトの宇宙ステーションサリュート7号の1991年の落下物事件以来、制御不能状態で落下した最も重い破片だったという。