◎アレクサンドル・ルカシェンコ大統領は25年以上にわたってベラルーシを支配しており、ヨーロッパ最後の独裁者と呼ばれている。
5月7日、ベラルーシの独裁者、アレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、昨年8月の不正大統領選挙に反対する抗議活動を暴力的に取り締まったとドイツに厳しく非難され、腹を立てた。
ルカシェンコ大統領は25年以上にわたってベラルーシを支配しており、ヨーロッパ最後の独裁者と呼ばれている。
告発を主導したドイツの弁護士たちは今週、バーデン=ヴュルテンベルク州カールスルーエの連邦検察庁にルカシェンコ大統領とベラルーシの武装警察に対する苦情を申し立てたと語った。「ドイツは普遍的管轄権に基づき、世界のどこかで発生した人道に対する罪への起訴を許可されています。ベラルーシの犯罪者は平和的な抗議者を殴り、蹴り、踏みつけ、叩きのめし、逮捕し、拷問し、ひどく辱めました」
これに対しルカシェンコ大統領は、「ファシズムの相続人に他者を非難する権利はない」と告発を却下した。「私を犯罪者と非難するドイツ人は自分たちがしたことを覚えていません。彼らは第二次世界大戦を解き放った凶悪犯の相続人です」
ルカシェンコ大統領はナチスやヒトラーという単語は使わなかったが、5月9日の大祖国戦争戦勝記念日(旧ソビエトの第二次世界大戦戦勝記念日)を明らかに意識していた。
ルカシェンコ大統領は昨年8月の大統領選挙で6期目を勝ち取ったと宣言した。しかし、出口調査の結果と開票結果の数字が大きく異なることに野党が異議を唱え、抗議活動を開始したため、武装警察に抗議者を叩きのめすよう指示した。
現地メディアによると、8月7日から始まった一連の抗議活動の逮捕者は34,000人を超え、その多くが残酷に殴打されたという。強制収容所から釈放された抗議者たちは、全身の打撲傷と拷問のエピソードをソーシャルメディアで共有した。
平和的な抗議活動に対する暴力的な取り締まりは国際的な怒りを引き起こし、アメリカとEUはベラルーシに制裁を科した。
武装警察の脅迫に直面し、リトアニアへの亡命を余儀なくされた野党党首のスヴャトラーナ・ツィハノウスカヤ氏は6日の声明で、ドイツの告発を歓迎した。「ルカシェンコの犯罪を隠すことはできません。容疑者は厳しい現実に直面するでしょう」
ツィハノウスカヤ氏によると、ポーランド、リトアニア、チェコ共和国でもベラルーシ当局に対する同様の刑事告発が提起される予定だという。