◎現地メディアによると、ファイザー社のアルバート・ブーラCEOはエルサレムで開催された戦没者追悼式典中に放送されたビデオメッセージで祝辞を述べたという。
2021年4月14日/イスラエル、エルサレムのマハネイェフダ市場で独立記念日を祝う人々(AP通信/Maya Alleruzzo)

4月14日、イスラエル政府は独立記念日を祝う記念式典でアメリカの製薬大手ファイザー社の最高経営責任者(CEO)に敬意を表し、コロナワクチン接種キャンペーンの大成功に感謝した。

現地メディアによると、ファイザー社のアルバート・ブーラCEOはエルサレムで開催された戦没者追悼式典中に放送されたビデオメッセージで祝辞を述べたという。ブーラCEOはユダヤ・ディアスポラの代表として式典に出席してほしいと政府から打診されていたが、都合が合わず参加できなかったと伝えられている。

ブーラCEOはベンヤミン・ネタニヤフ首相からの激しいロビー活動に応えて、ファイザーワクチンの優先供給に同意した。イスラエルはその見返りとして、自国のワクチンキャンペーンのデータをファイザー社と密に共有している。

保健当局によると、4月13日時点で国内の成人の75%以上が2回目のファイザーワクチン接種を終えたという。その結果、新規陽性者数と死亡者数は激減し、政府は念願の経済活動再開を達成した。

一方、イスラエルの占領下に置かれているヨルダン川西岸とガザ地区のワクチン展開は著しく遅れており、ネタニヤフ首相はファイザーワクチンをパレスチナ人に提供していないと世界から非難されている。

ブーラCEOはビデオメッセージの中で、「イスラエルは日常を取り戻すことができることを世界に示しました」と述べた。「今年の独立記念日はコロナワクチンキャンペーンの成功により、特別なものになりました」

現地メディアによると、戦争で倒れた兵士とホロコーストの犠牲者を称える厳粛な記念式典は、建国73周年を祝う夜の祝賀パーティに移行したという。パーティは15日まで続き、何百万ものイスラエル人がピクニックやバーベキューを満喫し、空軍による祝賀飛行も予定されている。

ネタニヤフ首相は追悼式典の演説で、「戦争の脅威とユダヤ人を排除しようとする者たちの動きを容認することはできません」と述べた。「イスラエルは私たちの聖なる土地を守るために全力を尽くします」

現地メディアによると、ネタニヤフ首相は先日イランのナタンツ核施設で発生した事件については一切言及しなかったという。イランは同核施設で発生した停電をイスラエルの「核テロ」と呼び、関わった者たちを捕らえると誓約したうえで、ウラン濃縮を20%から60%に引き上げると宣言した。

イラン核合意(包括的共同行動計画:JCPOA)は3.67%以上のウラン濃縮を禁止している。

<ウラン(U-235)の濃縮度>
・0.7%:標準
・2~5%:原子炉燃料(軽水炉用)
・3.67%以下:イラン核合意の規定値
・20%以上:高濃縮ウラン
・90%以上:核兵器用

2021年4月14日/イスラエル、エルサレムのヘルツル山にある軍事墓地で開催された戦没者追悼式典(AP通信/アリエル・シャリット)
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