◎国内の逮捕者と死者を調査する政治囚人支援協会(AAPP)は子供を含む91人の死亡を確認できたと報告した。ソーシャルメディアでニュースを発信するミャンマーナウは114人の死亡を確認したと報じている。
2021年3月27日/ミャンマー、首都ネピドー、「国軍記念日」を祝う軍事パレード、ミン・アウン・フライン司令官(AP通信)

3月27日、首都ネピドーで「国軍記念日」を祝う軍事パレードを開催したミャンマー軍は、最大都市ヤンゴンなどの主要都市で抗議する市民を100人以上殺害した。

国内の逮捕者と死者を調査する政治囚人支援協会(AAPP)は子供を含む91人の死亡を確認できたと報告した。ソーシャルメディアでニュースを発信するミャンマーナウは114人の死亡を確認したと報じている。ヤンゴンで活動する別の調査機関は100人以上の死者を確認したが、正確な数は不明と報じた。

大量虐殺は国際的な非難を巻き起こし、ミャンマーの複数の外交使節団が子供を含む民間人の殺害に言及する声明を発表した。

EUのミャンマー代表団は、「第76回ミャンマー国軍の日は、恐怖と不名誉の日として記憶されます」とツイートした。「子供を含む非武装の民間人の殺害は非人道的な行為であり、弁解の余地は一切ありません」

トーマス・ヴァイダ米国大使は声明で、「治安部隊は非武装の民間人を殺している」と述べた。「軍隊や警察は国民を守るものです。ミャンマーの人々は軍事政権下では生きたくないと言っています」

一連の抗議の死者数は治安部隊が取り締まりを強化した2月末以来、着実に増加している。軍のミン・アウン・フライン司令官は2月1日の軍事クーデターでアウンサンスーチー氏と国民民主連盟(NLD)の高官らを拘束し、政権を奪取した。

AAPPは、抗議活動で死亡した市民は3月26日時点で328人と報告していた。

ミン・アウン・フライン司令官は軍事パレードのテレビ演説の中で抗議活動には直接言及せず、「国家の静けさと社会保障に害を及ぼす可能性のあるテロリズムは容認できない」と述べた。

報道によると、ロシアを除く近隣諸国は軍事パレードに代表者を派遣したが大臣クラスの要人は出席しなかったという。ロシアはアレクサンドル・フォミン国防副大臣が出席した。

ミン・アウン・フライン司令官は演説の中で、「ロシアは真の友」と述べた。近年、ロシアとミャンマーは防衛関係を強化しており、ロシア軍は数千のミャンマー軍兵士に訓練を提供し、武器を販売した。

国軍記念日は第二次世界大戦中の日本の占領に対する「反乱が始まった日」を記念するものであり、抗議者たちソーシャルメディアなどを通して平和的な抗議を加速させると世界に呼びかけていた。

2021年3月27日/ミャンマー、ヤンゴンのタルムウェ郡区(AP通信)

軍は27日の大量虐殺について声明を発表していない。

ミン・アウン・フライン司令官はテレビ演説の中で、アウンサンスーチー氏らは昨年11月の総選挙で不正を働き、選挙委員会は不正を調査しなかった述べ、「新政権は自由で公正な選挙」を行うと主張した。「軍は民主主義を守るために行動しています。私たちの要求、安定性、安全性に害を及ぼす暴力行為とテロリズムは不適切であり、容認できません」

ミン・アウン・フライン司令官はスーチー氏とNLDの違法行為を阻止するために行動したと繰り返し、軍事クーデターを正当化した

スーチー氏は2月1日以来公の場に姿を見せておらず、汚職の申し立てと複数の刑事事件に直面している。

ニューヨークを拠点とするヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア副局長、フィル・ロバートソン氏は声明で、「27日の事件は公正な国際法廷で審議すべき」と述べた。

政治囚人支援協会(AAPP)によると、軍は射殺した一部の抗議者の遺体を回収しており、27日の死者数はさらに増える可能性が高いという。国連の関係機関は少なくとも40カ所で事件が発生し、数百人が負傷したという報告を受けたと述べた。

2021年3月27日/ミャンマー、首都ネピドー、「国軍記念日」を祝う軍事パレード(EPA通信)
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