◎ペサハ(過越祭)はエジプトで奴隷になっていたイスラエルの民が、モーゼの先導でパレスチナの地に脱出した故事を記念するユダヤ教の祝日。今年の期間は3月27日の夕方~4月4日の夕方まで。
報道によると、イスラエルの市民はユダヤ教の祝日「ペサハ(過越祭)」の準備に追われ、街はパンデミック前の活気を取り戻しつつあるという。
イスラエル政府は積極的にファイザーワクチンを展開し、人口の半分以上が2日目の接種を終えた。保健当局によると、3月26日の新規陽性者数は538件、死亡者は2人まで減少したという。
政府は先日、レストラン、ホテル、美術館、劇場の営業と最大20人の屋内集会を許可した。
イスラエルはこれまでに計3回ロックダウンを行い、企業、空港、レストラン、バーなどに閉鎖命令を出してきたが、ワクチンの積極的な展開が功を奏し、大きな転換点を迎えた。
イタリアからイスラエルに移住したジョルダナ・グレゴ氏はAP通信の取材に対し、「ユダヤ教の祝日を皆で祝えることに感謝します」と述べた。「今年はコロナからの解放も一緒に祝います」
ペサハはエジプトで奴隷になっていたイスラエルの民が、モーゼの先導でパレスチナの地に脱出した故事を記念するユダヤ教の祝日である。今年の期間は3月27日の夕方~4月4日の夕方まで。
期間中、ユダヤ人は苦難と解放の歴史を記念して、パンや他の発酵食品の消費を控え、代わりに、酵母を使わないマッツァーと呼ばれるクラッカー状の種なしパンを主に食べる。
ユダヤ人は種なしパンなどの準備だけでなく、春の大掃除も同時に行う。市内には台所用品を煮沸消毒する大釜が各地に設置され、多くの人が酵母入りのパンを燃やす。スーパーマーケットも棚を一斉に整理し、発酵食品は長期保存できるもの以外は全て処理する。
ほとんどのイスラエル系ユダヤ人は、ペサハの期間は家族や親族と一緒に過ごすことが慣習になっている。しかし、昨年はコロナの影響で例年通りにペサハを祝えなかった。
昨年9月の大祝日も感染拡大とロックダウンの影響で祝うことはできず、1月には変異種の影響で感染者が急増し、1月20日の新規陽性者数は初めて10,000件を超えた。
政府は3回目のロックダウンまでにファイザーとモデルナワクチンを数百万回分確保し、大規模な接種キャンペーンを開始した。当局のまとめによると、3月26日時点で成人人口の80%以上がワクチン接種(1回目含む)を行ったという。
しかし、専門家は変異種がワクチンへの耐性を強める新たな変異を遂げる可能性もあると指摘し、自由を祝うのは時期尚早と警告している。
また、イスラエルの占領下に置かれているヨルダン川西岸とガザ地区のワクチン展開は遅れており、ベンヤミン・ネタニヤフ首相はワクチンをパレスチナ人に提供していないと世界から非難されている。
ネタニヤフ首相はヨルダン川西岸の集落で働く10万人以上のパレスチナ人労働者にワクチンを接種し、自治政府には数千回分のワクチンを提供した。
自治政府自身も約13万回分のワクチンを輸入したが、イスラエルに虐げられたパレスチナ人約500万人の大多数は今もワクチンを接種できずにいる。公衆衛生の専門家は、「パレスチナの遅れはイスラエルの感染再拡大につながる可能性がある」と警告した。
ショハム市の正教会組織ツォハールの長を務めるラビ・デビッド・スタヴ氏はAP通信の取材に対し、「ペサハは自由の象徴であり、家族の休日です」と述べた。「今年、家族は団結しています。孤独だった人々、特に家族から離れた場所で生活していた年配の人々は、子供たちと一緒に過ごす時間、自由、喜びを再認識するでしょう」