◎公式の死者数は105人に達し、600人以上が負傷したと伝えられている。
3月10日、赤道ギニア政府は、7日に発生した爆発の犠牲者を偲ぶ追悼期間を3日間設けると発表した。
爆発は人口約17万人の都市バータで発生した。テオドロ・オビアン・ンゲマ大統領は7日の声明で、ンコアントマ軍事基地の兵器庫で火災が発生し、保管していた弾薬とダイナマイトが爆発したと述べた。
政府は3月10日から12日を追悼期間に指定した。当局者によると、火災に至った原因などの調査は7日から始まったという。
公式の死者数は105人に達し、600人以上が負傷したと伝えられている。ヒューマン・ライツ・ウォッチは死者数はさらに増える可能性があると警告しており、人口密集地で爆発物が保管されていた理由を「独立した機関」で調査するよう求めている。
ンゲマ大統領と息子のテオドロ・ンゲマ・オビアン・マング副大統領は、9日に爆発を起こした兵舎を視察した。ンゲマ大統領によると、爆発は「ダイナマイトのいい加減な取り扱い」が引き起こし、住宅街に近い施設で危険物を保管した当局者に責任を負わせる予定だという。
国防省は7日の声明で、爆発により都市バータのほぼすべての家屋と建物が被害を受けたと発表した。また、ボランティア団体と消防隊によって60人以上が瓦礫の下から救出されたという。
赤道ギニアは1968年にスペインから独立した人口約150万人の小国である。ンゲマ大統領は40年以上に渡って国を統治し、富を吸い上げ、アフリカ有数の大富豪になった。
赤道ギニア政府の腐敗と汚職は世界トップレベルで、首相は石油の輸出で得られる利益をほぼ独占している。一方、国連や世界銀行などの報告によると、同国の石油生産量は過去数十年の間に劇的に増加したが、人口の約76%は貧困ライン以下の生活を余儀なくされているという。
防衛と安全保障を担当するオビアン・マング副大統領は9日に調査の初期情報を公表した。
「兵舎の近くの農民が畑に火を放ち、そよ風が炎を広げ、兵器庫に燃え移った可能性があります」
「兵器庫には大口径の弾薬が保管されていました。保管状態に問題はなかったと報告を受けています」
しかし、地元メディアやAP通信などによると、衛星画像で兵器庫周辺の様子を確認した結果、基地周辺で市民が農業を行っていた形跡はなかったという。地元メディアは、「爆発した兵器庫の近くで軍関連の建設プロジェクトが進められていた」と報じた。
赤道ギニアで活動するツツ・アリカンテ弁護士は、「責任ある政府は都市の真ん中で爆発物を保管せず、住居の建設も許可しません」と述べた。
国内で伝わっている未確認の報告によると、ブラシを燃やすよう命じられた兵士が兵器庫の近くで作業を開始し、延焼した可能性があるという。また、別の報告者は爆発物を取り扱う訓練中に事故が発生したと主張している。
爆発は基地のすぐ北の建物を吹き飛ばし、40以上あったと伝えられている兵舎の建物もバラバラになった。
専門家によると、少なくとも1㎢の範囲が爆発で荒廃し、爆心地から数キロ離れた建物も屋根や壁などに大きな損傷を受けた可能性があるという。
国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエヴァ常務取締役は組織を代表して哀悼の意を表した。
「赤道ギニアで発生した人道的悲劇にショックを受けています。IMFは赤道ギニアの人々を支援し、進行中の政策対話に基づいて国際社会と協力し、より持続可能で包摂的な成長に向けたあらゆる支援の方法を模索しています」