◎世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長はタンザニア政府にコロナウイルスの症例を報告し、世界と情報を共有するよう要請した。
2月21日、世界保健機関(WHO)はタンザニア政府にコロナウイルスの症例を報告し、世界と情報を共有するよう要請した。
現在、タンザニアは国内のコロナに関連する情報を公開していない。最後にデータを公表したのは昨年5月で、症例数は約500件、死亡者は20人と報告していた。それから約1か月後、ジョン・マグフリ大統領はコロナウイルスに打ち勝ったと宣言した。
しかし、タンザニアの感染状況はフリーとは程遠い状態にあると考えられている。
2月17日、タンザニアに属するザンジバル自治政府のセイフ・アリ・イディー副大統領がコロナに感染したことを公表してから数日後に亡くなった。イディー副大統領はタンザニアで最も有名な政治家のひとりである。
現地メディアによると、イディー副大統領の首席秘書官も最近亡くなったが、死因は明らかにされていないという。
WHOのテドロス・アダノム事務局長は声明で、「タンザニアの指導者と首席補佐官に哀悼の意を表します。私たちはタンザニア政府にコロナウイルスの症例報告の再開とデータの共有を求めます」と述べた。
テドロス・アダノム事務局長:
「タンザニアの感染状況を非常に懸念しています。政府は強力な行動を取り、国内の感染状況をチェックしたうえで、正しい症例数を世界と共有してください」
これに対しマグフリ大統領は、国内の感染状況が悪い方向に向かっていることを認め、「祈りでコロナを打ち負かす」という以前の主張を改めた。
マグフリ大統領は19日の全国放送で、呼吸器疾患から身を守るために「3日間の祈り」に参加するよう市民に促していた。
マグフリ大統領は21日の声明で市民に感染予防対策とマスクの着用の徹底を呼びかけたが、報告によると、国内のサージカルマスク(不織布マスク)の流通量は極めて少なく、市民の大多数が手作りの布マスクで身を守っているという。マグリフ大統領は以前、コロナワクチンを含む外国製の商品に懸念を示していた。
タンザニアの公式症例数は509件で止まっているが、現地メディアによると多くの市民が呼吸困難を訴え、病院も肺炎患者の急増を報告しているという。
報告によると、タンザニアから近隣諸国に入国した者の多くがコロナ検査で陽性を示しており、保健当局は警戒を強めていた。