◎考古学チームのリーダー、マシュー・アダムズ博士は、「この醸造所では一度に約22,400リットルのビール(酒類)を生産していました。人々はエジプト王の葬儀用にビールを醸造していた可能性があります」と述べた。
エジプトとアメリカの考古学チームによると、カイロの南約500kmに位置する古代都市アビドスの遺跡で醸造所を発見したという。
発見された醸造所は紀元前3,000年頃のナルメル王時代のものと考えられている。
考古学チームのリーダー、マシュー・アダムズ博士は、「この醸造所では一度に約22,400リットルのビール(酒類)を生産していました。人々はエジプト王の葬儀用にビールを醸造していた可能性があります」と述べた。
マシュー・アダムズ博士:
「儀式にビールが使用されていた証拠を初めて発見しました。私たちはとても興奮しています」
ナイル川西岸の砂漠に位置する古代都市アビドスでは、4つの王朝の墓地遺跡が見つかっている。その中で最も有名なものはファラオの墓である。
チームのメンバーのひとり、プリンストン大学のデボラ・ヴィシャク博士は会見で、「この醸造所はナルメル王を含むエジプト王のためだけに広大な砂漠地帯に造られました」と述べた。
デボラ・ヴィシャク博士:
「彼らはエジプト王の墓地と、カルトの囲いと呼ばれている記念碑的な葬祭殿も建設しました」
「醸造所は王室の儀式にビールを提供するために建設された可能性があります。エジプト王を称えるモニュメントの一部だったのかもしれません」
エジプト政府は今回の発見を歓迎したうえで、「エジプト観光の新たな見どころのひとつにしたい」と述べた。
先月、エジプトの考古学チームはカイロの南に位置するもう1つの古代遺跡サッカラで、葬祭殿と木製の棺などを発見した。
葬祭殿の内部には木製の棺が50以上保管されていた。チームによると、それらは3,000年ほど前のものと考えられており、サッカラで発見された最も古い棺になるという。