◎ミャンマーの市民は8日に発表された5人以上の集まりを禁止する集会禁止令を却下し、最大の都市ヤンゴンで数万人規模の抗議集会を決行した。
◎市民は軍事政権および最高指導者に就任したミン・アウン・フライン司令官の撤退と国民民主連盟(NLD)の復帰を訴え、6日から数万人規模の抗議集会を行っている。
2021年2月9日 ロイター通信/ミャンマー、ヤンゴン

2月9日、ミャンマーの市民は8日に発表された5人以上の集まりを禁止する集会禁止令を却下し、最大の都市ヤンゴンで数万人規模の抗議集会を決行した。

軍事政権は昨日、ヤンゴンと第二の都市マンダレーでの集会および、20:00~04:00の間の外出を禁じる夜間外出禁止令を発効した。

現地メディアによると、マンダレーの警察は平和的な抗議者を複数拘束し、放水砲を使って群衆を打ち負かしたという。

軍事政権はヤンゴンとマンダレーにのみ2つの命令を出したが、現地メディアは規制が他の都市に突然適用される可能性もあると報じた。

国民民主連盟(NLD)のアウンサンスーチー氏と他の政府高官は2月1日の軍事クーデター以来、自宅軟禁下に置かれている。

市民は軍事政権および最高指導者に就任したミン・アウン・フライン司令官の撤退とNLDの復帰を訴え、6日から数万人規模の抗議集会を行っている。

この日の主要な抗議集会はヤンゴン、マンダレー、ペグー、ダウェイ、シャン州北部の都市などで行われた。

ペグーでは大勢の群衆が警察の放水砲攻撃に直面した。

首都ネピドーでも放水砲が使用され、ニュースサイトのミャンマーナウは一部の抗議者が負傷したと報じた。

ソーシャルメディアには、ヤンゴンやマンダレーなどの主要都市で警察が平和的な抗議者を厳しく取り締まっている写真や動画が数えきれないほど投稿されている。

ヤンゴンの抗議に参加した教師のテイン・ウィンソー氏はAFP通信の取材に対し、「私たちは軍の警告を気にしません。私たちは軍の言いがかり(不正投票)を受け入れません。私たちは軍事独裁政権を望んでいません」と述べた。

政権を掌握したミン・アウン・フライン司令官は8日に初めてテレビ演説を行った。

ミン・アウン・フライン司令官は「昨年11月の議会選挙で不正があった」と反抗的に何度も繰り返したが、証拠は提供しなかった。

一方、選挙委員会は軍の言いがかりを受け調査を行ったが、先月末に「不正を裏付ける証拠はなかった」と結論付け、訴えを却下している。

ミン・アウン・フライン司令官は選挙委員会の調査を却下し、1年以内に再選挙を行うと誓約したうえで、「新しい選挙委員会」に選挙の監視を任せると述べた。

ミン・アウン・フライン司令官:
「今回の政権交代は1988年と2007年のクーデターとは異なる。NLDは数百万票を操作し、野党に大勝したと主張したが、私たちはこれを認めておらず、対応する以外道はなかった」

「私たちは規律ある民主主義を確立する。規律がなければ民主主義は崩壊する。私たちは国の安全、治安、法の支配を脅かす抗議者たちの違法行為を厳しく取り締まるだろう

英BBCビルマによると、首都ネピドーには数千人が集まり、警察の取り締まりと放水砲に立ち向かったという。

ネピドーの様子を撮影した抗議者のひとりはAFP通信の取材に対し、「市民は平和的に抗議していたが、警察は予告も警告も出すことなく突然放水砲を発射し始めた」と述べた。

現地メディアによると、仏教僧、イスラム教徒のコミュニティ、サッカー選手、映画関係者、音楽関係者なども抗議集会に参加しており、数日以内に軍事政権に立ち向かう組織を設立する予定だという。

2021年2月9日 AP通信/ミャンマー、ヤンゴン
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