◎安保理は2月2日に非公開の会合を開き、ミャンマー軍に対する非難決議案を提出したが、中国が拒否権を行使したため、共同声明を出すことはできなかった。
◎米国務省はミャンマー軍とのコンタクトに失敗したと述べ、2月1日の政権奪取を正式に軍事クーデターと認めた。
2月2日、中国はミャンマーの軍事クーデターに対する国連安全保障理事会の非難決議案を拒否した。
ミャンマー軍は2月1日早朝にアウンサンスーチー氏と他の政府高官を拘束し、非常事態を宣言したうえで、ミン・アウン・フライン司令官を最高指導者に任命した。その後、フライン司令官は議会を牛耳る最高評議会を結成した。
一方、ミャンマーの市民は軍事独裁政権の復活を拒否している。ヤンゴンでは軍に対する抗議が各地で発生し、緊張が高まっている。
安保理は2日に非公開の会合を開き、ミャンマー軍に対する非難決議案を提出したが、中国が拒否権を行使したため、共同声明を出すことはできなかった。
会合に先立ち、国連のミャンマー特使、クリスティン・シュラーナー氏は声明で、「軍は昨年11月の議会選挙の結果を受け入れず、力づくで政権を奪取した」と強く非難した。
クリスティン・シュラーナー氏:
「スーチー氏の国民民主連盟(NLD)が圧勝したことは明らかだった。軍は速やかに彼女と政府高官を解放し、適切な措置を取らなければならない」
シンガポール国際大学でミャンマーを研究するエリオット・プラス・フリーマン氏は、「中国は司令官の行動を表向きは支持していないが、拒否権を行使したことで軍事クーデターを黙認していることが分かった」と述べた。
エリオット・プラス・フリーマン氏:
「中国は軍事クーデターを内閣改造と思っている。中国の国営メディアもさほど重要なこととは考えず、指導部は事態を静観すると言った」
アウンサンスーチー氏は自宅に軟禁されたと伝えられているが、事実かどうかは不明である。また、ウィンミン大統領を含む数十人の政府高官の安否も明らかにされていない。
NLDは2日の声明で、スーチー氏と高官の即時釈放および、昨年11月の議会選挙の結果を受け入れるよう軍に要求した。
一方、米国務省はミャンマー軍とのコンタクトに失敗したと述べ、2月1日の政権奪取を正式に軍事クーデターと認めた。
合衆国憲法は軍隊が正式に選出された政府を転覆させた場合、または転覆の役割を果たした場合、国への対外援助を制限する。これには経済援助や軍事援助が含まれるが、特定の目的(民主化、麻薬密売対策、テロ対策など)を促進するための資金は免除されるため、米政府はロヒンギャ難民関連の非政府組織などへの支援を継続する。
EU、日本、イギリス、オーストラリアなども軍の行動を非難した。
現地メディアによると、フライン司令官は2日に開催した最高評議会の会議の中で、「乗っ取りは不可避だった」と繰り返したという。
軍は国内の主要都市に部隊を配備し、「夜間外出禁止令」を施行した。しかし、2日の夜、ヤンゴンの街頭には大勢の市民が集まり、警笛や鍋を叩いて抗議の意思を示した。
ミャンマーの大半の市民は、悲惨な軍事独裁政権時代の悪夢に再び直面し、困惑している。
ある活動家は、フェイスブックに不服従キャンペーングループを作り、抗議の呼びかけを行った。
また、現地メディアによると、全国の70の病院および医療部門のスタッフや関係者がスーチー氏の釈放を求めるストライキに入ったという。
Myanmar doctors start black ribbon campaign as they against military coup pic.twitter.com/Tna2vsufD7
— soe zeya tun (@soezeya) February 2, 2021